学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ25A040

理由で解く 柔道整復師

QJ25A040 解剖学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問40
問題
レンズ核線条体動脈を分枝するのはどれか。
選択肢
1 前大脳動脈
2 前交通動脈
3 中大脳動脈
4 後大脳動脈
解答
正解3(中大脳動脈)
解説

レンズ核線条体動脈は中大脳動脈から出る穿通枝である。

中大脳動脈は内頸動脈の直接の続きとして外側へ走り(水平部=M1)、シルビウス裂に入る。この水平部から上方へほぼ直角に多数の細い枝が分かれ、レンズ核(被殻・淡蒼球)、内包、尾状核へ入る。これがレンズ核線条体動脈(外側線条体動脈)である。太い動脈から直角に分岐して細くなるため、拍動圧がそのままかかりやすく、高血圧が続くと微小動脈瘤(シャルコー・ブシャール動脈瘤)を形成して破綻しやすい。高血圧性脳出血が被殻に最も多いのはこの構造上の理由による。しかも枝は終動脈で側副路に乏しく、詰まれば内包が障害されて対側の片麻痺が生じる。「レンズ核線条体動脈=中大脳動脈の穿通枝=被殻出血の血管」と3点セットで結び付けておく。

✓ 3. 正しい
中大脳動脈
水平部(M1)から直角に多数の穿通枝を出し、被殻・淡蒼球・内包・尾状核を養う。これがレンズ核線条体動脈である。
✗ 1. 誤り
前大脳動脈
大脳半球の内側面(前頭葉・頭頂葉内側)を養う。穿通枝としてはHeubner反回動脈を出し、尾状核頭などに分布するが、レンズ核線条体動脈ではない。
✗ 2. 誤り
前交通動脈
左右の前大脳動脈をつなぐ短い連絡枝で、ウィリス動脈輪を前方で閉じる。脳動脈瘤の好発部位として重要だが、線条体への穿通枝は出さない。
✗ 4. 誤り
後大脳動脈
脳底動脈から分かれ、後頭葉と側頭葉下面を養う。穿通枝は視床へ向かう(視床穿通動脈・視床膝状体動脈)ので、視床出血に関与する系統である。
ポイント
  • レンズ核線条体動脈=中大脳動脈水平部(M1)から直角に出る穿通枝
  • 灌流域は被殻・淡蒼球・内包・尾状核
  • 高血圧下でシャルコー・ブシャール動脈瘤をつくり、被殻出血の原因となる
  • 内包が障害されると対側の片麻痺が生じる
  • 視床への穿通枝は後大脳動脈系。出血部位と血管をセットで整理する
比較表
動脈主な灌流域代表的な穿通枝
前大脳動脈大脳半球内側面Heubner反回動脈
中大脳動脈大脳半球外側面レンズ核線条体動脈
後大脳動脈後頭葉・側頭葉下面視床穿通動脈・視床膝状体動脈
前交通動脈(連絡枝)—(動脈瘤好発部位)
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