学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ25A033

理由で解く 柔道整復師

QJ25A033 解剖学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問33
問題
呼気に働くのはどれか。
選択肢
1 広背筋
2 肩甲挙筋
3 下後鋸筋
4 最長筋
解答
正解3(下後鋸筋)
解説

呼気に働くのは下後鋸筋である。上後鋸筋が吸気、下後鋸筋が呼気と、上下で対になっている。

呼吸運動の主役は横隔膜と肋間筋だが、背部にも呼吸を助ける薄い筋が2枚ある。上後鋸筋は項靱帯や上位胸椎の棘突起から起こり第2〜5肋骨に停止し、肋骨を上外方へ引いて胸郭を広げるので吸気筋になる。下後鋸筋は下位胸椎〜上位腰椎の棘突起から起こり第9〜12肋骨に停止し、下部肋骨を下後方へ引いて胸郭を縮めるので呼気筋になる。安静時の呼気は肺と胸郭の弾性で受動的に起こるため、これらが活躍するのは深呼吸や努力呼吸のときである。「上は吸って、下は吐く」と、走行の向きと働きを結び付けて覚えると確実。

✓ 3. 正しい
下後鋸筋
下位胸椎〜上位腰椎の棘突起から外上方へ走り、第9〜12肋骨を下後方へ引き下げる。下部胸郭が縮むため呼気を助ける。
✗ 1. 誤り
広背筋
上腕の内転・内旋・伸展を担う上肢の筋である。咳のときに体幹を固定する働きが指摘されることはあるが、呼吸筋として整理されるのは上後鋸筋・下後鋸筋であり、この設問ではそちらを選ぶ。
✗ 2. 誤り
肩甲挙筋
上位頸椎の横突起から肩甲骨上角に停止し、肩甲骨の挙上と下方回旋に働く。肋骨に付着しないため、胸郭の運動には直接関与しない。
✗ 4. 誤り
最長筋
脊柱起立筋(腸肋筋・最長筋・棘筋)の1つで、脊柱の伸展と側屈を担う。姿勢保持の筋であり、呼気筋には数えない。
ポイント
  • 上後鋸筋=第2〜5肋骨を挙上 → 吸気を助ける
  • 下後鋸筋=第9〜12肋骨を引き下げる → 呼気を助ける
  • 「上は吸って、下は吐く」と停止する肋骨の高さで判断する
  • 安静呼気は肺・胸郭の弾性による受動運動で、呼気筋が働くのは努力呼吸時
  • 呼気の主な筋は内肋間筋(骨部)と腹筋群、吸気の主役は横隔膜と外肋間筋
比較表
上後鋸筋下後鋸筋
起始項靱帯・C6〜T2棘突起T11〜L2棘突起
停止第2〜5肋骨第9〜12肋骨
走行外下方へ外上方へ
作用肋骨を挙上(胸郭を広げる)肋骨を下制(胸郭を縮める)
呼吸相吸気呼気
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