学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §43 外科学概論 / QJ25A015

理由で解く 柔道整復師

QJ25A015 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問15
問題
末梢血管抵抗減弱によるショックの原因はどれか。
選択肢
1 急性心筋梗塞
2 熱傷
3 緊張性気胸
4 アナフィラキシー
解答
正解4(アナフィラキシー)
解説

末梢血管抵抗が下がって血液の分布が乱れるショック(血液分布異常性ショック)の代表がアナフィラキシーです。答えは4です。

ショックは「循環のどこが壊れたか」で4つに整理できます。ポンプが働かない心原性、循環する血液量そのものが足りない循環血液量減少性、心臓の外側から流入・拍出が妨げられる心外閉塞・拘束性、そして血管が開いて容れ物が広がり相対的に血液が足りなくなる血液分布異常性です。アナフィラキシーでは、肥満細胞から放出されるヒスタミンなどの化学伝達物質により全身の細動脈が拡張し、血管透過性も亢進するため、末梢血管抵抗が急激に低下して血圧が下がります。同時に喉頭浮腫や気管支攣縮が起これば気道も危うくなるため、時間との勝負になります。初期に皮膚が温かく紅潮する「ウォームショック」を呈しうるのも、血管が開いていることの現れです。対応は、原因物質への曝露を止めること、ただちに救急要請すること、仰臥位で下肢を挙上して静脈還流を保つこと、そして医師の管理下でのアドレナリン投与が基本になります。施術所では、初診時にアレルギー歴・既往を確認し、急変時の連絡手順と搬送先をあらかじめ決めておくことが備えになります。

✓ 4. 正しい
アナフィラキシー
ヒスタミンなどにより全身の血管が拡張し、末梢血管抵抗が急激に低下します。血液分布異常性ショックの代表で、設問の条件にそのまま一致します。
✗ 1. 誤り
急性心筋梗塞
心筋が壊死してポンプ機能が低下する心原性ショックです。心拍出量が減る一方、血圧を保とうとして末梢血管抵抗はむしろ上昇します。
✗ 2. 誤り
熱傷
創面や間質へ血漿成分が大量に失われる循環血液量減少性ショックです。血管内の量が減ることが本態で、血管抵抗の低下が原因ではありません。
✗ 3. 誤り
緊張性気胸
胸腔内圧の上昇により静脈還流と心拍出が妨げられる心外閉塞・拘束性ショックです。頸静脈怒張、患側の呼吸音減弱、気管の健側偏位を伴い、緊急の脱気を要します。
ポイント
  • ショックの4分類=心原性/循環血液量減少性/心外閉塞・拘束性/血液分布異常性。
  • 末梢血管抵抗が下がるのは血液分布異常性(アナフィラキシー、敗血症、神経原性)。
  • アナフィラキシーは血管拡張+透過性亢進+気道症状が同時に進む。
  • 初期に温かく紅潮するウォームショックを呈しうるのが血液分布異常性の特徴。
  • 対応は曝露の中止、直ちに救急要請、仰臥位・下肢挙上、医師によるアドレナリン投与。
比較表
分類代表的な原因末梢血管抵抗特徴的所見
心原性急性心筋梗塞、重症不整脈上昇頸静脈怒張、肺うっ血
循環血液量減少性出血、熱傷、脱水上昇四肢冷感、頻脈、尿量減少
心外閉塞・拘束性緊張性気胸、心タンポナーデ、肺塞栓上昇頸静脈怒張、呼吸音の左右差
血液分布異常性アナフィラキシー、敗血症、脊髄損傷低下温かい皮膚(ウォームショック)、紅潮
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