学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §43 外科学概論 / QJ24A015

理由で解く 柔道整復師

QJ24A015 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問15
問題
創傷の処置で正しいのはどれか。
選択肢
1 開放創は消毒液で洗浄する。
2 開放創の挫滅組織は切除する。
3 開放創は乾燥するように保つことが重要である。
4 縫合閉鎖後 96時間まで消毒液を塗布する。
解答
正解2(開放創の挫滅組織は切除する。)
解説

開放創では、血流を失った挫滅組織を切除(デブリドマン)することが感染予防と治癒促進の基本です。正答は2。

現在の創傷管理は「十分な洗浄」「デブリドマン」「湿潤環境の維持」の3本柱で考えます。消毒薬は細菌を殺す一方で、治癒に必要な線維芽細胞や表皮細胞、遊走してくる白血球も傷害するため、汚染創に繰り返し用いると治癒を遅らせます。汚染物質や細菌は殺すより洗い流すほうが確実で、生理食塩水や十分な量の流水による洗浄が原則です。挫滅して血流を失った組織や異物は白血球も抗菌薬も届かない格好の細菌増殖の場になるため、確実に取り除きます。そして創面が乾いて痂皮ができると、表皮細胞は痂皮の下を掘り進むことになり上皮化が遅れます。適切な被覆材で湿潤環境を保てば上皮細胞は滑らかに遊走でき、治癒が速く瘢痕も目立ちにくくなります。縫合閉鎖された創は通常24〜48時間で上皮化が完成し、それ以降は細菌の侵入経路が閉じるため、消毒も被覆も不要でシャワーも可能になります。

✗ 1. 誤り
開放創は消毒液で洗浄する。
消毒薬は正常な細胞にも毒性があり治癒を遅らせる。汚染創は生理食塩水や十分な量の流水で洗い流すのが原則で、消毒薬の反復使用は避ける。
✓ 2. 正しい
開放創の挫滅組織は切除する。
血流を失った挫滅組織や壊死組織、異物は感染の温床となり、上皮化の妨げにもなる。これを除去するデブリドマンが感染予防と治癒促進の要となる。
✗ 3. 誤り
開放創は乾燥するように保つことが重要である。
逆で、湿潤環境を保つほうが表皮細胞の遊走が速く治癒が促進される(湿潤療法)。乾燥して痂皮を作ると上皮化が遅れる。
✗ 4. 誤り
縫合閉鎖後 96時間まで消毒液を塗布する。
縫合創は通常24〜48時間で上皮化が完成し、以後は消毒も被覆も不要となる。長期の消毒は治癒を妨げるため行わない。
ポイント
  • 創傷処置の3本柱は洗浄・デブリドマン・湿潤環境の維持
  • 洗浄は消毒薬ではなく生理食塩水や十分な量の流水で。消毒薬は正常細胞も傷害する。
  • 挫滅・壊死組織と異物は感染の温床。除去(デブリドマン)が感染予防の要。
  • 乾燥させず湿潤を保つと表皮細胞の遊走が速く、治癒が促進され瘢痕も目立ちにくい。
  • 縫合創は24〜48時間で上皮化が完成し、以降の消毒は不要。深い創・動物咬傷・汚染の強い創は医師の処置と破傷風対策につなぐ。
比較表
場面避けたい対応とるべき対応
創の洗浄消毒液で洗う生理食塩水・十分な量の流水で洗い流す
挫滅・壊死組織そのまま被覆するデブリドマンで除去する
創面の環境乾燥させて痂皮を作る被覆材で湿潤環境を保つ
縫合創の管理数日間消毒を続ける24〜48時間の上皮化後は消毒不要
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