学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §44 整形外科学 / QJ24A016

理由で解く 柔道整復師

QJ24A016 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問16
問題
急性化膿性骨髄炎で正しいのはどれか。
選択肢
1 高齢者に多い。
2 起炎菌は大腸菌が多い。
3 原因は外傷によることが多い。
4 好発部位は長管骨骨幹端部である。
解答
正解4(好発部位は長管骨骨幹端部である。)
解説

急性化膿性骨髄炎は小児の長管骨骨幹端部に好発します。正答は4。

小児の急性化膿性骨髄炎の多くは血行性感染で、扁桃炎や皮膚の化膿巣などから細菌が血流に乗って骨に達します。起炎菌は黄色ブドウ球菌が最多です。なぜ骨幹端かというと、成長期の骨幹端では栄養動脈の終末がヘアピン状のループを作って血流が急に緩やかになり、細菌が停滞・定着しやすいためです。好発部位は大腿骨遠位や脛骨近位など、成長の盛んな膝周囲になります。症状は高熱・全身倦怠に加え、患肢の激しい疼痛、腫脹、熱感で、痛みのため患肢を動かさなくなります(偽麻痺)。単純X線では発症早期に所見が出にくく、骨膜反応や骨透亮像が現れるまでに1〜2週間かかるため、血液検査(白血球数、CRP、赤沈)、血液培養、MRIが診断の助けになります。柔道整復の現場では、外傷歴に見合わない発熱と激痛、夜間も続く痛み、患肢を使わないといった所見があれば打撲や捻挫と決めつけず、速やかに医師へ紹介することが重要です。治療の遅れは骨壊死や慢性骨髄炎、成長障害につながります。

✗ 1. 誤り
高齢者に多い。
血行性の急性化膿性骨髄炎は成長期の小児(学童期)に多く、やや男児に多い。高齢者では糖尿病性足病変や褥瘡からの波及など、別の背景で生じることが多い。
✗ 2. 誤り
起炎菌は大腸菌が多い。
最も多い起炎菌は黄色ブドウ球菌。連鎖球菌などが続き、大腸菌が主体となることはまれ。
✗ 3. 誤り
原因は外傷によることが多い。
小児では血行性感染が主体で、扁桃炎や皮膚の化膿巣などが感染源となる。開放骨折や手術後の直達感染もあるが、この病態の典型ではない。
✓ 4. 正しい
好発部位は長管骨骨幹端部である。
成長期の骨幹端では毛細血管がループ状となり血流が緩やかで細菌が停滞しやすい。大腿骨遠位・脛骨近位など膝周囲に好発する。
ポイント
  • 急性化膿性骨髄炎は小児の血行性感染が典型。起炎菌は黄色ブドウ球菌が最多。
  • 好発部位は長管骨の骨幹端部(大腿骨遠位・脛骨近位など)。骨幹端の毛細血管ループで血流が緩やかなため。
  • 症状は高熱・患肢の激痛・腫脹・熱感・患肢を動かさない(偽麻痺)。
  • 単純X線は早期に所見が乏しい。血液検査(白血球・CRP)、血液培養、MRIが有用。
  • 外傷歴に合わない発熱と激痛、夜間痛があれば打撲・捻挫と決めつけず、速やかに医師へ紹介する。
比較表
項目急性化膿性骨髄炎化膿性関節炎
病変の場所骨(長管骨の骨幹端)関節腔内
好発学童期の小児、膝周囲乳幼児(股関節など)、高齢者
主な起炎菌黄色ブドウ球菌黄色ブドウ球菌
特徴的所見骨幹端の圧痛、後にX線で骨膜反応関節腫脹・関節液貯留、著明な運動時痛
共通する対応発熱+激痛では感染を疑い、速やかに医師へ紹介する
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