学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §43 外科学概論 / QJ26A015

理由で解く 柔道整復師

QJ26A015 必修問題

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問15
問題
循環血液量減少性ショックはどれか。
選択肢
1 心筋梗塞
2 広範囲熱傷
3 緊張性気胸
4 アナフィラキシー
解答
正解2(広範囲熱傷)
解説

広範囲熱傷では血管透過性が亢進して血漿成分が大量に組織へ漏れ出し、循環血液量減少性ショックとなる。

ショックは原因によって4つに整理する。循環血液量減少性(出血、脱水、広範囲熱傷)、心原性(心筋梗塞、重症不整脈、弁膜症)、心外閉塞・拘束性(緊張性気胸、心タンポナーデ、肺血栓塞栓症)、血液分布異常性(アナフィラキシー、敗血症、脊髄損傷による神経原性)である。広範囲熱傷では受傷直後から損傷部およびその周囲の血管透過性が高まり、血漿が血管外へ移動して循環血液量が急激に減少する。皮膚は冷たく蒼白・湿潤となり、頻脈、脈圧の低下、血圧低下、尿量減少、意識レベルの低下を示す(いわゆるコールドショック)。現場では保温と体位の確保を行い、速やかに救急要請して医療機関での輸液につなぐ。

✓ 2. 正しい
広範囲熱傷
血管透過性の亢進により血漿が血管外へ移動し、循環血液量が減少する。出血や脱水と同じ機序のグループに入る。
✗ 1. 誤り
心筋梗塞
心筋が壊死してポンプ機能そのものが低下する心原性ショック。血液量は減っていない。
✗ 3. 誤り
緊張性気胸
胸腔内圧の上昇で縦隔が偏位し大静脈が圧迫されて静脈還流が妨げられる、心外閉塞・拘束性ショック。
✗ 4. 誤り
アナフィラキシー
化学伝達物質による末梢血管の拡張で血液の分布が偏る、血液分布異常性ショック。皮膚が温かい時期がある点も熱傷とは異なる。
ポイント
  • ショックの4分類=循環血液量減少性・心原性・心外閉塞拘束性・血液分布異常性
  • 広範囲熱傷は血管透過性亢進による血漿の喪失で循環血液量減少性ショックを起こす
  • ショックの5徴(5P)=蒼白、虚脱、冷汗、脈拍触知不能、呼吸不全
  • 循環血液量減少性・心原性・心外閉塞拘束性では皮膚が冷たく湿潤(コールドショック)
  • 現場では保温と体位を確保して速やかに救急要請し、医療機関での輸液・原因治療につなぐ
比較表
分類機序代表的な原因
循環血液量減少性血液・血漿・体液の喪失出血、脱水、広範囲熱傷
心原性心臓のポンプ機能低下心筋梗塞、重症不整脈、弁膜症
心外閉塞・拘束性静脈還流や心拍出の物理的な妨げ緊張性気胸、心タンポナーデ、肺血栓塞栓症
血液分布異常性末梢血管の拡張による血液分布の偏りアナフィラキシー、敗血症、神経原性
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