学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §42 一般臨床医学 / QJ25A014

理由で解く 柔道整復師

QJ25A014 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問14
問題
マン・ウェルニッケ姿勢をとるのはどれか。
選択肢
1 進行性筋ジストロフィー
2 破傷風
3 脳梗塞
4 パーキンソン(Parkinson)病
解答
正解3(脳梗塞)
解説

マン・ウェルニッケ姿勢は、上肢が屈曲し下肢が伸展する痙性片麻痺に特徴的な肢位です。脳梗塞など一側の錐体路が障害された後にみられます。答えは3です。

一側の大脳半球や内包が障害されると、反対側の上下肢に痙性麻痺が残ります。このとき上肢では屈筋群、下肢では伸筋群の筋緊張が優位になるため、肩は内転・内旋、肘・手関節・手指は屈曲し、前腕は回内、下肢は股関節・膝関節が伸展して足関節は尖足内反位をとります。歩くときは、伸びたまま曲がらない下肢を体の外側へ弧を描くように振り出す分回し歩行(痙性片麻痺歩行)になり、麻痺側の上肢の振りが乏しくなります。判別の決め手は「一側性であること」で、両側に対称的に現れる疾患とはここで区別できます。

✓ 3. 正しい
脳梗塞
一側の錐体路が障害されて反対側に痙性片麻痺を残し、上肢屈曲・下肢伸展というマン・ウェルニッケ姿勢をとります。分回し歩行を伴うのも同じ理由です。
✗ 1. 誤り
進行性筋ジストロフィー
筋自体が変性する疾患で、体幹や四肢近位筋の筋力低下が主体です。腰椎前弯を強めた立位、動揺性歩行、床から立つときの登攀性起立(Gowers徴候)が特徴で、左右対称性かつ痙性ではありません。
✗ 2. 誤り
破傷風
破傷風毒素により全身の骨格筋が持続的に強直します。開口障害、痙笑、体幹が弓なりに反り返る後弓反張が典型で、全身性の変化であり一側性の肢位ではありません。
✗ 4. 誤り
パーキンソン(Parkinson)病
筋強剛と姿勢反射障害により、頭部を前に出し体幹・四肢を軽く曲げた前傾前屈姿勢をとります。小刻み歩行、すくみ足、加速歩行を伴い、経過とともに両側性に進みます。
ポイント
  • マン・ウェルニッケ姿勢=上肢屈曲・下肢伸展の痙性片麻痺肢位。一側性が決め手。
  • 原因は脳梗塞・脳出血など、一側の錐体路(内包・大脳半球)の障害。
  • 歩行は分回し歩行(痙性片麻痺歩行)、足は尖足内反位になりやすい。
  • 破傷風=後弓反張、パーキンソン病=前傾前屈姿勢、筋ジストロフィー=腰椎前弯と動揺性歩行。
  • 「上肢は曲がり、下肢は伸びる」と語呂で覚えると混同しにくい。
比較表
疾患特徴的な姿勢・肢位歩行の特徴左右差
脳梗塞(痙性片麻痺)マン・ウェルニッケ姿勢(上肢屈曲・下肢伸展)分回し歩行一側性
破傷風後弓反張・痙笑・開口障害—(全身強直)全身性
パーキンソン病前傾前屈姿勢小刻み歩行・すくみ足・加速歩行両側性(初期は左右差あり)
進行性筋ジストロフィー腰椎前弯の強い立位動揺性歩行、登攀性起立対称性
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