学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §2 総論 運動器損傷の診察 / QJ24P098

理由で解く 柔道整復師

QJ24P098 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問98
問題
背臥位で図のような脊柱の弯曲を観察した。考えられる要因はどれか。
図
選択肢
1 腹直筋の短縮
2 腸腰筋の短縮
3 上殿神経の麻痺
4 大腿神経の麻痺
解答
正解2(腸腰筋の短縮)
解説

背臥位で観察された脊柱弯曲の要因として考えられるのは2の腸腰筋の短縮。

腸腰筋は大腰筋(腰椎の椎体・肋骨突起)と腸骨筋(腸骨窩)から起こり、合流して大腿骨小転子に停止する。腰椎の前方と股関節の前方をまたぐため、短縮すると腰椎を前方に引き、骨盤を前傾させて腰椎前弯を強める。背臥位で下肢を伸ばすと股関節が伸展方向に動く分だけ腸腰筋がさらに引き伸ばされ、その代償として腰椎前弯が増強し、腰部と床の間に隙間ができる。この種の設問は弯曲の見え方に頼らず、各選択肢の作用(骨盤を前傾させるか後傾させるか)から絞り込むと確実に解ける。

✓ 2. 正しい
腸腰筋の短縮
腰椎から小転子へ走る腸腰筋が短縮すると、骨盤前傾と腰椎前弯の増強が起こる。背臥位で股関節を屈曲(膝を立てる)させると緊張が緩んで弯曲が軽減する点も裏づけになり、トーマステストで股関節屈曲拘縮を確認できる。
✗ 1. 誤り
腹直筋の短縮
恥骨と胸郭前面を結ぶため、短縮すれば骨盤は後傾し腰椎前弯はむしろ減少(平坦化)する方向に働く。
✗ 3. 誤り
上殿神経の麻痺
中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋が麻痺し、立位・歩行時に骨盤が遊脚側へ傾くトレンデレンブルグ徴候として現れる。背臥位での脊柱弯曲を直接説明しない。
✗ 4. 誤り
大腿神経の麻痺
腸骨筋・大腿四頭筋が麻痺して膝伸展が困難になる。筋は短縮ではなく弛緩するため、前弯を強める要因にはならない。
ポイント
  • 腸腰筋=腰椎・腸骨窩→小転子。股関節屈曲に働き、短縮すると骨盤前傾+腰椎前弯増強を招く。
  • 背臥位で腰部と床の隙間が広がる、股関節を屈曲させると弯曲が軽減する、が手がかり。
  • 拮抗的に骨盤を後傾させるのは腹直筋・大殿筋・ハムストリングス。
  • 評価はトーマステスト(対側股関節を抱え込んだとき患側大腿が浮くか)。
  • 対応は腸腰筋のストレッチと体幹前面・殿筋の筋力強化を組み合わせて進める。
比較表
作用主な筋腰椎前弯
骨盤前傾腸腰筋・大腿直筋・脊柱起立筋増強
骨盤後傾腹直筋・大殿筋・ハムストリングス減少(平坦化)
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。