学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ24P076

理由で解く 柔道整復師

QJ24P076 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問76
問題
肋骨骨折の絆創膏固定で正しいのはどれか。
選択肢
1 吸気時に貼付する。
2 健側胸部から患部を通過し健側背部まで貼付する。
3 胸郭動揺がある時は硬性素材を併用する。
4 固定期間は2か月である。
解答
正解2(健側胸部から患部を通過し健側背部まで貼付する。)
解説

肋骨骨折の絆創膏固定は、健側の胸部から患部の上を通し健側の背部まで、正中を越えて長く貼る。これで胸郭の呼吸性の広がりを抑え、骨折部の動揺を減らす。

目的は呼吸のたびに動く骨折部を安静にして疼痛を和らげることにある。最大呼気の状態(胸郭が最も縮んだところ)で貼ると、その後の吸気で胸郭が広がるのを制限できる。テープは幅5cm程度のものを下方から上方へ1/2ずつ重ねながら患側胸郭を覆うように貼り、両端は正中線を越えて健側まで届かせて剥がれにくくする。固定期間はおおむね3週間前後で、皮膚の状態をみながら適宜貼り替える。呼吸困難、皮下気腫、胸郭動揺、血痰などがあれば固定にこだわらず直ちに医師へ搬送する。

✓ 2. 正しい
健側胸部から患部を通過し健側背部まで貼付する。
患部だけを覆うのでは剥がれやすく固定力も不足する。前は健側胸部から、後ろは健側背部まで正中を越えて十分な長さで貼ることで、胸郭の拡張を確実に制限できる。
✗ 1. 誤り
吸気時に貼付する。
貼るのは最大呼気時。胸郭が最も縮んだ状態で固定すると、その後の吸気での拡張が抑えられ骨折部が動きにくくなる。吸気時に貼ると胸郭が広がった状態で固定され、制動効果が得られない。
✗ 3. 誤り
胸郭動揺がある時は硬性素材を併用する。
胸郭動揺(フレイルチェスト)は、連続する3本以上の肋骨がそれぞれ2か所以上で骨折し、その部分が奇異呼吸を示して換気が破綻する重篤な胸部外傷である。絆創膏固定や硬性素材の追加で対応する状態ではなく、呼吸状態を観察しつつ直ちに医師へ搬送する。
✗ 4. 誤り
固定期間は2か月である。
肋骨骨折の絆創膏固定はおおむね3週間程度が目安。2か月は長すぎ、皮膚障害や不要な胸郭運動の制限につながる。
ポイント
  • 貼付のタイミング=最大呼気時
  • 貼付範囲=健側胸部→患部→健側背部(正中を越える長さ)
  • 下方から上方へ1/2ずつ重ねて貼る
  • 固定期間の目安は約3週間
  • 胸郭動揺(連続する3本以上の肋骨がそれぞれ2か所以上で骨折+奇異呼吸)・呼吸困難・皮下気腫・血痰は直ちに医師へ
比較表
項目正しい方法誤りやすい理解
タイミング最大呼気時吸気時に貼る
範囲健側胸部〜健側背部まで正中を越える患部だけを覆う
期間約3週間2か月
胸郭動揺時直ちに医師へ搬送硬性素材を足して固定する
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