学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ24P075

理由で解く 柔道整復師

QJ24P075 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問75
問題
肋骨骨折と合併症の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 直達外力による浮肋骨骨折-腎損傷
2 介達外力による第6肋骨骨折-フレイルチェスト
3 ゴルフスイングによる疲労骨折緊張性気胸
4 左第7〜9肋骨多発骨折-肝損傷
解答
正解1(直達外力による浮肋骨骨折-腎損傷)
解説

浮遊肋骨(第11・12肋骨)の背側は腎臓の高さにあたる。直達外力では骨折端が内方を向くため、腎損傷を合併しうる。

肋骨骨折では外力の加わり方で骨折端の向きが決まる。直達外力では折れた端が胸腔側(内方)へ突き刺さり、胸膜・肺・腹腔内臓器を傷つける。介達外力(前後からの圧迫など)では骨は外方に凸となって折れるため、骨折端は外側を向き内臓損傷は起こりにくい。したがって「直達+下位肋骨」なら腹部臓器(右は肝、左は脾、後方は腎)、「直達+上中位肋骨」なら気胸・血胸を考える。血尿、腹部膨隆、呼吸困難、皮下気腫があれば直ちに医師へ搬送する。

✓ 1. 正しい
直達外力による浮肋骨骨折-腎損傷
浮遊肋骨は第11・12肋骨で、その後方は腎臓が位置する高さ。直達外力では骨折端が内方を向くため、後腹膜にある腎臓を損傷しうる。血尿の有無を確認する。
✗ 2. 誤り
介達外力による第6肋骨骨折-フレイルチェスト
フレイルチェスト(胸郭動揺)は、連続する3本以上の肋骨がそれぞれ2か所以上で骨折し、その部分の胸壁が呼吸に伴って奇異運動(奇異呼吸)を示すものをいう。第6肋骨1本の骨折では本数・箇所数のいずれの条件も満たさず、骨折端が外方を向く介達外力という条件とも合わない。
✗ 3. 誤り
ゴルフスイングによる疲労骨折緊張性気胸
ゴルフによる肋骨疲労骨折は前鋸筋などの反復牽引で側方の肋骨に生じるもので、骨片の内方転位を伴わない。緊張性気胸のような胸腔内の急性重症病態には結びつかない。
✗ 4. 誤り
左第7〜9肋骨多発骨折-肝損傷
肝臓は右上腹部にあり、右下位肋骨骨折で損傷する。左側の下位肋骨骨折で警戒すべきは脾損傷である。
ポイント
  • 直達外力→骨折端が内方(内臓損傷のリスク)/介達外力→骨折端が外方
  • 浮遊肋骨=第11・12肋骨。その後方は腎の高さ
  • 右下位肋骨=肝損傷、左下位肋骨=脾損傷
  • フレイルチェスト=連続する3本以上の肋骨がそれぞれ2か所以上で骨折+奇異呼吸
  • 血尿・呼吸困難・皮下気腫・ショック徴候があれば直ちに医師へ
比較表
骨折部位警戒する合併損傷
上位・中位肋骨(直達)気胸、血胸、肺損傷
右下位肋骨肝損傷
左下位肋骨脾損傷
浮遊肋骨(第11・12)背側腎損傷
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