学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ24P067

理由で解く 柔道整復師

QJ24P067 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問67
問題
転倒後、腰痛を訴える患者。体幹側屈で疼痛が増強し、膝関節屈曲の坐位からの股関節屈曲運動でも痛みが増強した。. 考えられるのはどれか。
選択肢
1 腰椎椎間板ヘルニア
2 チャンス骨折
3 腰部脊柱管狭窄症
4 腰椎肋骨突起骨折
解答
正解4(腰椎肋骨突起骨折)
解説

腰椎肋骨突起(横突起)骨折を考える。付着する腰方形筋が体幹側屈で引かれて痛み、同じ部位から起始する大腰筋が働く股関節屈曲でも痛むという、2つの所見の組合せが決め手になる。

腰椎の肋骨突起には腰方形筋・腰腸肋筋・腹横筋腱膜が付着し、大腰筋も腰椎椎体・椎間板と肋骨突起から起始する。転倒などの直達外力や、体幹の急な側屈・回旋による筋の牽引で折れ、圧痛は棘突起の外側数センチに限局する。膝を曲げた坐位から股関節を屈曲させると、ハムストリングスの緊張を除いた状態で大腰筋が選択的に収縮して骨折部を引くため疼痛が増強する。第3腰椎の肋骨突起が最も長く単独骨折が多い。血尿があれば腎損傷の合併を考え、医師へ紹介する。

✓ 4. 正しい
腰椎肋骨突起骨折
付着筋(腰方形筋=体幹側屈)と起始筋(大腰筋=股関節屈曲)の両方の収縮で痛みが増すという所見が、そのまま肋骨突起への牽引ストレスを示す。転倒という外傷歴とも一致する。
✗ 1. 誤り
腰椎椎間板ヘルニア
主症状は下肢への放散痛・しびれで、SLRテスト陽性、前屈や坐位・咳嗽で増悪する。側屈痛と大腰筋の収縮痛が揃う所見は説明しにくい。
✗ 2. 誤り
チャンス骨折
シートベルトを支点とした屈曲・伸延力で椎体から棘突起まで水平に割れる骨折で、交通事故が典型。腹腔内臓器損傷を伴いやすく、本例の受傷機転・所見とは異なる。
✗ 3. 誤り
腰部脊柱管狭窄症
中高年に緩徐に生じ、歩行で下肢のしびれが出て前屈休息で軽快する間欠跛行が中心。腰椎伸展で悪化し、転倒直後に急性発症するものではない。
ポイント
  • 肋骨突起=腰椎の横突起。第3腰椎が最長で単独骨折が多い
  • 付着筋(腰方形筋・腰腸肋筋)→ 体幹側屈で疼痛増強
  • 起始筋(大腰筋)→ 坐位での股関節屈曲で疼痛増強
  • 圧痛は棘突起の外側に限局。棘突起の叩打痛が主体なら椎体骨折を考える
  • 血尿があれば腎損傷の合併を疑い、直ちに医師へ
比較表
疾患増悪する動き特徴
腰椎肋骨突起骨折体幹側屈、坐位での股関節屈曲外傷後、棘突起外側の限局性圧痛
腰椎椎間板ヘルニア前屈、坐位、咳嗽下肢放散痛、SLR陽性
腰部脊柱管狭窄症腰椎伸展、歩行間欠跛行、前屈で軽快
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