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理由で解く 柔道整復師

QJ24P025 一般臨床医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問25
問題
マルファン(Marfan)症候群でみられるのはどれか。
選択肢
1 樽状胸
2 鳩胸
3 扁平胸
4 漏斗胸
解答
正解4(漏斗胸)
解説

マルファン症候群は結合組織の主要成分であるフィブリリン-1の異常による常染色体顕性(優性)遺伝疾患で、胸郭変形としては漏斗胸が代表的である。

原因はFBN1遺伝子の変異で、微小線維の構築が損なわれて全身の結合組織がもろくなる。骨格系では高身長・細長い四肢・クモ状指(長い指)・関節過可動・脊柱側弯・胸郭変形が現れ、肋軟骨が過剰に伸びることで胸骨が前後に押しやられて漏斗胸や鳩胸を生じる。眼では水晶体亜脱臼(典型的には上方偏位)、心血管系では大動脈基部の拡張から大動脈解離・破裂をきたし、これが生命予後を決める。柔道整復の現場では、高身長で関節が緩く反復性の脱臼・捻挫を繰り返す例に出会ったとき、こうした全身疾患の可能性を念頭に置き、胸痛や視力異常があれば速やかに医科(循環器・眼科)受診を勧めることが重要である。

✓ 4. 正しい
漏斗胸
肋軟骨の過成長により胸骨下部が後方(背側)へ陥凹した変形で、マルファン症候群の代表的な胸郭所見である。同じ機序で胸骨が前方へ突出すれば鳩胸となるが、国家試験ではマルファン症候群=漏斗胸として押さえる。
✗ 1. 誤り
樽状胸
胸郭の前後径が増大して樽のように膨らんだ形で、肺の過膨張を反映する。慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)に代表される所見であり、マルファン症候群の特徴ではない。
✗ 2. 誤り
鳩胸
胸骨が前方に突出した変形で、古典的にはくる病(ビタミンD欠乏)や、モルキオ病などのムコ多糖症で強調される所見である。マルファン症候群でも生じうるが、代表所見として問われるのは漏斗胸である。
✗ 3. 誤り
扁平胸
胸郭の前後径が小さく平坦な形で、無力性体質のやせ型体型や慢性消耗性疾患(かつては肺結核)で述べられる所見である。マルファン症候群を特徴づける変形ではない。
ポイント
  • マルファン症候群=FBN1(フィブリリン-1)異常、常染色体顕性(優性)遺伝。
  • 骨格:高身長・クモ状指・関節過可動・側弯・漏斗胸。
  • 眼:水晶体亜脱臼(上方)。心血管:大動脈基部拡張→大動脈解離(予後を決める)。
  • 胸郭変形の対応:樽状胸=肺気腫、鳩胸=くる病・ムコ多糖症、扁平胸=やせ型体質、漏斗胸=マルファン症候群。
  • 関節が緩く反復性脱臼を繰り返す高身長例では全身疾患を疑い、胸痛・視力異常があれば医科受診につなぐ。
比較表
胸郭変形形態代表的な背景
漏斗胸胸骨下部が陥凹マルファン症候群
鳩胸胸骨が前方へ突出くる病、ムコ多糖症(モルキオ病など)
樽状胸前後径が増大慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)
扁平胸前後径が減少し平坦無力性体質、慢性消耗性疾患
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