学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §5 リハビリテーションの治療 / QJ24P017

理由で解く 柔道整復師

QJ24P017 リハビリテーション医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問17
問題
腰部脊柱管狭窄症に用いられる装具はどれか。
選択肢
1 ダーメンコルセット
2 ウィリアムズ型装具
3 テイラー型装具
4 ジュウェット型装具
解答
正解2(ウィリアムズ型装具)
解説

腰部脊柱管狭窄症では腰椎を反らすと症状が悪化します。伸展を制限して屈曲位を保てるウィリアムズ型装具が適応です。

狭窄症で腰椎を伸展(後屈)すると、黄色靱帯がたわんで内側へ膨隆し、椎間関節や椎弓が近づくため脊柱管と椎間孔がさらに狭くなり、下肢のしびれや間欠跛行が強まります。逆に前かがみになると脊柱管の断面が広がるので楽になり、これが「歩くと休みたくなるが、前傾姿勢や自転車なら続けられる」という特徴的な訴えの理由です。ウィリアムズ型装具は腰仙椎装具(LSO)の一種で、後方の支柱を持たず、骨盤帯と胸椎バンドを側方支柱と斜め支柱(斜走支柱)で連結する構造をとります。この作りにより屈曲は自由に許し、伸展と側屈を制限するという働きが生まれ、狭窄症で症状が軽くなる姿勢を装具で保てます。脊椎分離症・分離すべり症など、伸展で痛みが出る病態にも用いられます。反対に、椎体前方がつぶれる圧迫骨折では屈曲を止めて伸展位を保つ胸腰仙椎装具(TLSO)(ジュウェット型・テイラー型)を選ぶ、と対にして覚えると混同しません。本問はダーメンコルセット=軟性LSO、ウィリアムズ型=硬性LSO、テイラー型・ジュウェット型=TLSO という装具分類の区分が、そのまま識別の軸になっています。

✗ 1. 誤り
ダーメンコルセット
布と補強材でできた軟性の腰仙椎装具(軟性LSO)で、腹圧を高めて体幹を支持し腰椎への負担を減らします。腰痛症全般に広く使われますが、伸展を選択的に制限する働きはありません。
✓ 2. 正しい
ウィリアムズ型装具
チェアバック型・ナイト型と同じ腰仙椎装具(硬性LSO)に属します。後方支柱を持たず、骨盤帯と胸椎バンドを側方支柱と斜め支柱で連結する構造により、伸展と側屈を制限し屈曲を許すため、脊柱管が広がる前屈位を保てます。狭窄症の病態と装具の働きが一致するため適応となり、脊椎分離症・すべり症にも用いられます。
✗ 3. 誤り
テイラー型装具
2本の後方支柱と肩甲帯バンドで胸腰椎の屈曲を制限する胸腰仙椎装具(TLSO)です。胸腰椎圧迫骨折や脊椎カリエスなどが適応で、狭窄症で必要な前屈を妨げてしまいます。
✗ 4. 誤り
ジュウェット型装具
胸骨部・恥骨部・胸腰椎背側の3点固定で屈曲を制限し、伸展位に保つ胸腰仙椎装具(TLSO)です。胸腰椎移行部の圧迫骨折に用いるもので、狭窄症では症状を強める方向に働きます。
ポイント
  • 腰部脊柱管狭窄症は伸展で悪化・屈曲で軽快。前かがみで脊柱管が広がる。
  • ウィリアムズ型は腰仙椎装具(LSO)。チェアバック型・ナイト型と同じ仲間で、TLSOではない。
  • ウィリアムズ型=伸展と側屈を制限、屈曲は許す(後方支柱なし+側方支柱・斜め支柱)。狭窄症、脊椎分離・すべり症に用いる。
  • テイラー型・ジュウェット型は胸腰仙椎装具(TLSO)屈曲を制限。胸腰椎圧迫骨折など、前方がつぶれる病態に用いる。
  • ダーメンコルセットは軟性LSOで、方向を選ばず腹圧で全体を支持するタイプ。
  • 装具は「どの運動を止めたいか」から選ぶ。病態が伸展で悪いのか屈曲で悪いのかを先に決める。
比較表
装具装具分類硬さ・構造制限する運動主な適応
ダーメンコルセット軟性LSO(腰仙椎装具)布+補強材特定方向の制限は弱く、腹圧上昇で全体を支持腰痛症一般、術後の補助
ウィリアムズ型硬性LSO(腰仙椎装具)後方支柱なし、骨盤帯と胸椎バンドを側方支柱・斜め支柱で連結伸展・側屈を制限(屈曲は自由)腰部脊柱管狭窄症、脊椎分離症・すべり症
テイラー型TLSO(胸腰仙椎装具)硬性(後方2支柱+肩甲帯バンド)胸腰椎の屈曲を制限胸腰椎圧迫骨折、脊椎カリエス
ジュウェット型TLSO(胸腰仙椎装具)硬性(胸骨・恥骨・背側の3点固定)屈曲を制限し伸展位に保持胸腰椎移行部の圧迫骨折
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