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理由で解く 柔道整復師

QJ24A120 衛生学・公衆衛生学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問120
問題
4大公害訴訟に含まれないのはどれか。
選択肢
1 熊本水俣病
2 四日市喘息
3 川崎病
4 イタイイタイ病
解答
正解3(川崎病)
解説

4大公害訴訟は熊本水俣病・新潟水俣病(第二水俣病)・四日市ぜんそく・イタイイタイ病の4件である。川崎病は小児の急性熱性疾患であり公害とは無関係なので、含まれないのは3。

高度経済成長期の産業活動によって生じた健康被害をめぐり、1960年代後半に相次いで提訴された4件が4大公害訴訟と呼ばれる。熊本水俣病と新潟水俣病は工場排水中のメチル水銀が魚介類を通じてヒトに蓄積し、感覚障害、運動失調、求心性視野狭窄、難聴などの中枢神経障害を起こしたもの。イタイイタイ病は鉱山排水由来のカドミウムによる腎尿細管障害と骨軟化症で、わずかな動作で骨折し激痛を訴えることが病名の由来である。四日市ぜんそくは石油化学コンビナートから排出された硫黄酸化物による閉塞性呼吸器疾患。いずれも1971年から1973年にかけて原告勝訴の判決が示され、公害健康被害補償法(1973年)の制定や環境行政の整備を後押しした。一方、川崎病は1967年に川崎富作が報告した主に4歳以下の乳幼児に生じる急性熱性疾患で、全身の中小動脈に血管炎を起こし、冠動脈瘤を合併しうる点が臨床上の要点である。原因は現在も不明で、名称は発見者の姓に由来する。地名の「川崎」と結びつけないことが、この問題を落とさないコツになる。

✗ 1. 4大公害訴訟に含まれる(答えではない)
熊本水俣病
化学工場の排水に含まれたメチル水銀が魚介類に蓄積し、それを食べた住民に中枢神経障害を生じた。感覚障害、運動失調、求心性視野狭窄、難聴などが特徴的で、胎児性水俣病も知られる。4大公害訴訟の代表格である。
✗ 2. 4大公害訴訟に含まれる(答えではない)
四日市喘息
石油化学コンビナートから排出された硫黄酸化物(SOx)を主因とする大気汚染により、地域住民に喘息様発作を伴う閉塞性呼吸器疾患が多発した。大気汚染型の公害の典型例として4大公害訴訟に数えられる。
✓ 3. これが含まれない=正答
川崎病
1967年に川崎富作が報告した乳幼児の急性熱性疾患で、発熱、眼球結膜の充血、口唇・口腔粘膜の発赤、発疹、四肢末端の変化、頸部リンパ節腫脹を主症状とする全身性の血管炎症候群。冠動脈瘤の合併が最も重要な問題で、免疫グロブリン大量療法などが行われる。原因は不明で公害とは無関係であり、4大公害訴訟には含まれない。
✗ 4. 4大公害訴訟に含まれる(答えではない)
イタイイタイ病
鉱山排水由来のカドミウムが農地と農作物を汚染し、腎尿細管障害と骨軟化症を引き起こした。骨がもろくなり軽微な動作でも骨折して激痛を伴うことから病名がついた。富山県神通川流域で発生し、4大公害訴訟の1つである。
ポイント
  • 4大公害訴訟=熊本水俣病・新潟水俣病(第二水俣病)・四日市ぜんそく・イタイイタイ病
  • 原因物質はメチル水銀(水俣病・新潟水俣病)、硫黄酸化物(四日市ぜんそく)、カドミウム(イタイイタイ病)
  • 主症状は中枢神経障害/中枢神経障害/閉塞性呼吸器疾患/腎尿細管障害+骨軟化症
  • 4訴訟はいずれも1971〜1973年に原告勝訴。1967年公害対策基本法、1973年公害健康被害補償法、1993年環境基本法へとつながる
  • 川崎病は川崎富作が報告した乳幼児の血管炎症候群。冠動脈瘤の合併に注意。公害とは無関係で、地名由来ではなく人名由来
比較表
名称原因主な障害4大公害訴訟
熊本水俣病メチル水銀(工場排水)感覚障害、運動失調、求心性視野狭窄、難聴含まれる
新潟水俣病(第二水俣病)メチル水銀(工場排水)同上含まれる
四日市ぜんそく硫黄酸化物(大気汚染)喘息様発作、閉塞性呼吸器疾患含まれる
イタイイタイ病カドミウム(鉱山排水)腎尿細管障害、骨軟化症、多発骨折含まれる
川崎病不明(感染や免疫の関与が想定される)乳幼児の全身性血管炎、冠動脈瘤含まれない
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