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理由で解く 柔道整復師

QJ24A119 衛生学・公衆衛生学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問119
問題
値が大きい方が水質汚濁の程度が低い指標はどれか。
選択肢
1 浮遊物質(SS)
2 溶存酸素(DO)
3 化学的酸素要求量 (COD)
4 生物化学的酸素要求量(BOD)
解答
正解2(溶存酸素(DO))
解説

水質指標のなかで、値が大きいほど水がきれいであることを意味するのは溶存酸素(DO)だけである。正答は2。

水中の有機物は微生物に分解される際に酸素を消費する。この性質を利用したのがBOD(生物化学的酸素要求量)で、好気性微生物が有機物を分解するときに消費する酸素量を20℃・5日間の条件で測り、河川の有機汚濁の指標に用いる。COD(化学的酸素要求量)は酸化剤を使って有機物などを化学的に酸化するのに要する酸素量で、藻類が多く微生物法になじみにくい海域・湖沼の指標に用いる。SS(浮遊物質量)は水中に浮遊する粒子の重量で、増えると透明度が下がり日光が届かず水生生物に影響する。この3つはいずれも値が大きいほど汚濁が強い。これに対しDO(溶存酸素)は水に溶けている酸素量そのものであり、有機物が多いほど微生物に消費されて減少するため、値が小さいほど汚濁が強く、大きいほどきれいということになる。酸素は水温が高いほど、また塩分が高いほど溶けにくい点も併せて覚えておくと、夏季に貧酸素水塊が生じやすい理由まで説明できる。

✗ 1. 誤り
浮遊物質(SS)
水中に浮遊する粒子状物質の重量。値が大きいほど濁りが強く、透明度低下や日光の遮断を招くため、汚濁の程度は高いと判断する。設問が求める「大きいほど汚濁が低い」とは逆向きの指標である。
✓ 2. 正しい
溶存酸素(DO)
水に溶けている酸素の量。有機物が多い水では分解に酸素が使われて減少するため、DOが高いほど有機汚濁が少なくきれいな水と判断できる。水質指標のなかで「大きいほど良い」のはDOだけ、と覚えるのが最短の攻略法である。
✗ 3. 誤り
化学的酸素要求量 (COD)
酸化剤で有機物等を化学的に酸化するのに必要な酸素量。有機物が多いほど大きくなるので、値が大きいほど汚濁が進んでいる。海域・湖沼の環境基準に用いられる。
✗ 4. 誤り
生物化学的酸素要求量(BOD)
好気性微生物が有機物を分解する際に消費する酸素量を20℃・5日間で測定したもの。有機物が多いほど大きくなるため、値が大きいほど汚濁が強い。河川の環境基準に用いられる。
ポイント
  • 「値が大きいほどきれい」なのはDOだけ。BOD・COD・SS・大腸菌群数・全窒素・全燐はいずれも大きいほど汚い
  • BODは河川、CODは海域・湖沼の指標に使い分ける
  • BODは20℃・5日間で微生物が消費する酸素量
  • DOは水温が高いほど、塩分が高いほど低下する。有機汚濁でも消費されて低下する
  • 水質汚濁に係る環境基準には健康項目(カドミウム、鉛、水銀など)と生活環境項目(pH、BOD/COD、SS、DO、大腸菌群数)がある
比較表
指標意味値が大きいと主な適用
DO(溶存酸素)水に溶けている酸素量汚濁が少ない=きれい河川・湖沼・海域
BOD(生物化学的酸素要求量)微生物が有機物分解に使う酸素量(20℃・5日)汚濁が強い河川
COD(化学的酸素要求量)酸化剤で酸化するのに要する酸素量汚濁が強い海域・湖沼
SS(浮遊物質量)浮遊する粒子の重量濁りが強い=汚濁が強い河川・湖沼・海域
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