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理由で解く 柔道整復師

QJ24A118 衛生学・公衆衛生学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問118
問題
算出のため黒球温の測定が必要なのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 実効温度
2 不快指数
3 修正感覚温度
4 熱中症指数(WBGT)
解答
正解3(修正感覚温度)、4(熱中症指数(WBGT))
解説

2つ選べという設問。黒球温度は輻射(放射)熱を測る指標で、輻射熱を計算に織り込む修正感覚温度とWBGTの2つで測定が必要になる。正答は3と4。

温熱環境は気温(乾球温度)、湿度、気流、輻射熱の4要素で決まる。黒球温度計は黒く塗った中空の球の中心に温度計を置いたもので、周囲から吸収した放射熱を反映した温度を示す。実効温度(感覚温度、ET)はヤグローが提唱した体感の指標で、乾球温度・湿球温度・気流の3要素から求め、輻射熱は考慮しない。この実効温度の乾球温度を黒球温度に置き換えて輻射熱を織り込んだものが修正感覚温度(修正実効温度、CET)で、炉前作業など放射熱の強い環境の評価に使われる。WBGT(湿球黒球温度、暑さ指数)は熱中症予防の指標で、屋外で日射がある場合は0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度、屋内および屋外で日射のない場合は0.7×湿球温度+0.3×黒球温度で計算する。どちらの式でも湿球温度の重みが0.7と最大で、湿度の高さが熱の放散を妨げることが熱中症リスクを大きく左右すると読める。不快指数は0.72×(乾球温度+湿球温度)+40.6で、乾球と湿球だけから求まる簡便な指標である。スポーツ現場や部活動の熱中症対策では、気温だけでなくWBGTで判断し、給水と休憩、活動中止の基準に結びつけるのが実務上の要点になる。

✗ 1. 誤り
実効温度
感覚温度とも呼ばれ、乾球温度・湿球温度・気流の3要素から求める。輻射熱を考慮しないため黒球温度の測定は不要である。輻射熱を含めたい場合に修正感覚温度へ発展させる、という関係を押さえておく。
✗ 2. 誤り
不快指数
0.72×(乾球温度+湿球温度)+40.6で求める指標で、乾球温度と湿球温度だけを使う。気流も輻射熱も含まないため黒球温度は不要。簡便だが、風や日射の影響を評価できない点が限界である。
✓ 3. 正しい
修正感覚温度
修正実効温度(CET)とも呼ばれ、実効温度の乾球温度を黒球温度に置き換えて算出する。置き換えによって輻射熱が評価に加わるため、黒球温の測定が必須となる。製鉄所の炉前作業のように放射熱が強い作業環境の評価に用いられる。
✓ 4. 正しい
熱中症指数(WBGT)
屋外(日射あり)は0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度、屋内(日射なし)は0.7×湿球温度+0.3×黒球温度。いずれの式にも黒球温度が入るため測定が必要である。湿球温度の係数が0.7と最大である点も、湿度対策の重要性とあわせて覚えておきたい。
ポイント
  • 温熱の4要素=気温(乾球温度)・湿度・気流・輻射熱
  • 黒球温度=輻射熱を反映する測定値。黒球温が要るのは修正感覚温度とWBGT
  • 実効温度(ET)=乾球・湿球・気流の3要素。輻射熱は含まない
  • 修正感覚温度(CET)=実効温度の乾球温度を黒球温度に置き換えたもの
  • WBGT:屋外(日射あり)0.7×湿球+0.2×黒球+0.1×乾球/屋内 0.7×湿球+0.3×黒球
  • 不快指数=0.72×(乾球+湿球)+40.6。乾球と湿球だけ
比較表
指標必要な測定項目黒球温
実効温度(感覚温度・ET)乾球温度、湿球温度、気流不要
不快指数(DI)乾球温度、湿球温度不要
修正感覚温度(修正実効温度・CET)黒球温度、湿球温度、気流必要
WBGT(暑さ指数)湿球温度、黒球温度(屋外はさらに乾球温度)必要
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