学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §3 感染症 / QJ24A115

理由で解く 柔道整復師

QJ24A115 衛生学・公衆衛生学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問115
問題
感染症成立の3要因でないのはどれか。
選択肢
1 環境
2 感染源
3 感染経路
4 感受性宿主
解答
正解1(環境)
解説

感染症成立の3要因は感染源・感染経路・感受性宿主である。環境はこの3要因すべてに影響する背景条件であって、3要因そのものには数えないため、正答は1。

感染が成立するには、病原体を供給する側(感染源)、病原体が宿主に届く道筋(感染経路)、それを受け取る側の抵抗力の低さ(感受性宿主)の3つがそろう必要がある。裏を返せば、このうち1つでも断ち切れば感染は成立しないので、感染対策は必ずこの3本立てで組み立てる。感染源対策は患者の早期発見・治療・隔離、保菌者や動物・媒介昆虫の管理、器材の洗浄と滅菌。感染経路対策は手指衛生と標準予防策、換気、食品衛生、上下水道の整備、媒介動物の駆除。感受性宿主対策は予防接種、栄養と休養による体力保持、免疫抑制状態にある人の保護である。気温・湿度、住環境、上下水道の整備状況といった環境要因は、感染源の生存や経路の成立しやすさ、宿主の抵抗力に間接的に働く条件であり、3要因とは区別する。なお疫学には「宿主・病因・環境」という別の三大要因(疫学の三角形)の枠組みがあり、そこには環境が入るため、設問が何の3要因を問うているかを読み違えないことが得点の分かれ目になる。

✓ 1. これが3要因でない=正答
環境
気温・湿度、住居の過密度、上下水道や衛生設備の状況などは感染の起こりやすさを左右するが、感染症成立の3要因には含まれない。疫学の三大要因(宿主・病因・環境)と用語が重なるため混同しやすい箇所で、「感染成立の3要因」と問われたら感染源・感染経路・感受性宿主の3語を即答できるようにしておく。
✗ 2. 3要因に含まれる(答えではない)
感染源
病原体を供給する側で、患者、無症状病原体保有者(キャリア)、保菌動物、汚染された食品・水・器材などが該当する。対策は早期発見と治療、隔離、器材の洗浄・消毒・滅菌である。
✗ 3. 3要因に含まれる(答えではない)
感染経路
接触、飛沫、空気(飛沫核)、経口(食品・水)、血液・体液、媒介動物、母子(垂直)感染などの道筋。手指衛生と標準予防策は、この経路を断つ最も費用対効果の高い手段である。
✗ 4. 3要因に含まれる(答えではない)
感受性宿主
免疫をもたない人、乳幼児や高齢者、基礎疾患や免疫抑制状態にある人など、病原体を受け取ったときに発病しやすい側。予防接種で免疫を与えることが最も直接的な対策になる。
ポイント
  • 感染症成立の3要因=感染源・感染経路・感受性宿主。1つでも断てば感染は成立しない
  • 感染源対策=早期発見・治療・隔離、器材の滅菌、保菌動物や媒介昆虫の管理
  • 感染経路対策=手指衛生、標準予防策、換気、食品衛生、上下水道整備
  • 感受性宿主対策=予防接種、栄養・休養、易感染患者の保護
  • 疫学の三大要因(宿主・病因・環境)とは別の枠組み。環境が入るのはこちら
比較表
要因具体例対策の柱
感染源患者、無症状病原体保有者、保菌動物、汚染食品・器材早期発見・治療・隔離、消毒・滅菌
感染経路接触、飛沫、空気、経口、血液・体液、媒介動物、垂直手指衛生、標準予防策、換気、食品衛生
感受性宿主未免疫者、乳幼児・高齢者、免疫抑制状態予防接種、栄養・休養、易感染患者の保護
(3要因ではない)環境気温・湿度、住居の過密、上下水道の整備状況3要因それぞれの成立しやすさを左右する背景条件
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