学習トップ理由で解く 柔道整復師衛生学・公衆衛生学 ▸ §3 感染症 / QJ24A116

理由で解く 柔道整復師

QJ24A116 衛生学・公衆衛生学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問116
問題
正しい組合せはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 自然感染 -自然受動免疫
2 予防接種-人工能動免疫
3 母体からの免疫抗体移行-自然能動免疫
4 免疫グロブリン投与 -人工受動免疫
解答
正解2(予防接種-人工能動免疫)、4(免疫グロブリン投与 -人工受動免疫)
解説

2つ選べという設問。免疫は「能動(自分でつくる)か受動(もらう)か」×「自然(自然の経過)か人工(医療行為)か」の2×2で整理する。正しい組合せは2と4。

能動免疫は抗原の刺激を受けて自分のリンパ球が抗体や細胞性免疫をつくるもので、効果が出るまで数日から数週間かかる代わりに免疫記憶が残り、長期間持続する。受動免疫はすでにできあがった抗体を外から受け取るもので、投与直後から効くが自分の記憶細胞はつくられず、抗体が代謝されるにつれ数週間から数か月で失われる。自然か人工かの区別は、その成立が感染や胎盤・母乳という自然の経過によるのか、ワクチンや抗体製剤という医療行為によるのかで決まる。この2軸を掛け合わせると、自然能動(感染・不顕性感染)、自然受動(経胎盤IgG・初乳中のIgA)、人工能動(ワクチン・トキソイド)、人工受動(免疫グロブリン・抗毒素血清)の4通りに整理できる。土壌汚染創で破傷風のリスクがあるとき、抗破傷風ヒト免疫グロブリン(人工受動=即効性)と破傷風トキソイド(人工能動=持続性)を併用するのは、この2つの性質を組み合わせた典型例である。

✗ 1. 誤り
自然感染 -自然受動免疫
自然感染では病原体という抗原に反応して自分自身が抗体をつくるので、正しくは自然「能動」免疫。麻疹に一度かかると生涯免疫が残るように、免疫記憶を伴い長期間持続する点が能動免疫の特徴である。
✓ 2. 正しい
予防接種-人工能動免疫
生ワクチン・不活化ワクチン・トキソイドを医療行為として接種し、接種された側が自ら抗体を産生する。人工的(医療行為)かつ能動的(自分でつくる)なので人工能動免疫にあたる。効果発現までに時間はかかるが、記憶が残り追加接種で増強できる。
✗ 3. 誤り
母体からの免疫抗体移行-自然能動免疫
胎盤を通過するIgGや初乳・母乳中のIgAは、母体がつくった抗体を児が受け取るものなので、正しくは自然「受動」免疫。乳児がしばらく麻疹などにかかりにくいのはこの移行抗体によるが、生後数か月で消失する。
✓ 4. 正しい
免疫グロブリン投与 -人工受動免疫
他者由来のできあがった抗体を医療行為として投与するので、人工的かつ受動的、すなわち人工受動免疫。抗破傷風ヒト免疫グロブリンや抗毒素血清がこれにあたり、投与直後から効くが、記憶細胞はつくられず効果は数週間から数か月で消える。
ポイント
  • 能動=自分でつくる/受動=もらう、自然=自然の経過/人工=医療行為。この2軸の掛け算で4分類
  • 自然能動=感染・不顕性感染/自然受動=経胎盤IgG・初乳中IgA
  • 人工能動=ワクチン・トキソイド/人工受動=免疫グロブリン、抗毒素血清
  • 能動免疫は遅効性だが長期持続、受動免疫は即効性だが短期で消失
  • 母体からの移行抗体が残っていると生ワクチンの効果が減弱するため、麻疹風疹混合ワクチンの1期は生後12か月以降に行う
比較表
能動免疫(自分でつくる)受動免疫(もらう)
自然自然能動免疫:感染・不顕性感染自然受動免疫:経胎盤IgG、初乳・母乳中IgA
人工人工能動免疫:ワクチン、トキソイド人工受動免疫:免疫グロブリン、抗毒素血清
効果発現数日〜数週間(遅い)投与直後(速い)
持続長期(免疫記憶あり)数週間〜数か月(記憶なし)
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