学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §4 退行性病変・代謝障害 / QJ24A098

理由で解く 柔道整復師

QJ24A098 病理学概論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問98
問題
褐色萎縮で沈着するのはどれか。
選択肢
1 胆汁色素
2 ヘモジデリン
3 メラニン
4 リポフスチン
解答
正解4(リポフスチン)
解説

褐色萎縮で沈着するのはリポフスチンである。萎縮した臓器が肉眼で褐色調に見えるのは、この黄褐色の色素が細胞内にたまるためである。

リポフスチンは、細胞内小器官の膜脂質が酸化されてできた、分解しきれない残渣がリソソーム内に蓄積したものである。長い年月にわたって代謝を繰り返した細胞に蓄積するため「加齢色素」、慢性の消耗状態で目立つため「消耗色素」とも呼ばれる。高齢者や悪液質・飢餓状態の患者の心臓・肝臓でよくみられ、臓器は縮小しつつ全体が褐色を帯びる。これが褐色萎縮であり、心臓に強く現れたものは褐色萎縮心と呼ばれる。組織像では核の周囲に黄褐色の微細顆粒として観察され、細胞にとって毒性は乏しく、あくまで加齢・消耗の指標として理解しておけばよい。

✓ 4. 正しい
リポフスチン
酸化された膜脂質の分解残渣がリソソームに蓄積した黄褐色の色素で、加齢色素・消耗色素とも呼ばれる。心臓や肝臓に蓄積し、萎縮臓器が褐色調を呈する「褐色萎縮」の直接の原因である。
✗ 1. 誤り
胆汁色素
ヘモグロビン由来のビリルビンで、血中に増えると皮膚・粘膜・眼球結膜が黄染する黄疸をきたす。全身が黄色くなる病態の色素であって、萎縮臓器の褐色化とは結びつかない。
✗ 2. 誤り
ヘモジデリン
赤血球の崩壊に伴って生じる鉄を含む黄褐色の色素で、出血後の組織や慢性うっ血肺(心不全細胞)にみられる。ベルリン青染色で青染するのが特徴だが、褐色萎縮の本体ではない。
✗ 3. 誤り
メラニン
表皮基底層のメラノサイトが産生する黒褐色色素で、日焼けや色素性母斑、悪性黒色腫、アジソン病の皮膚色素沈着などに関与する。萎縮臓器に蓄積する色素ではない。
ポイント
  • 褐色萎縮=リポフスチンの沈着。心臓・肝臓に多い。
  • リポフスチンは加齢色素・消耗色素。酸化された膜脂質の分解残渣。
  • ヘモジデリンはを含む色素(ベルリン青陽性)。うっ血・出血後。
  • ビリルビン(胆汁色素)は黄疸、メラニンは皮膚の黒褐色
  • 色素は「どこに・なぜたまるか」まで結びつけて覚えると混同しない。
比較表
色素由来代表的な病態特徴
リポフスチン膜脂質の酸化残渣褐色萎縮(心・肝)加齢色素・消耗色素
ヘモジデリンヘモグロビン(鉄)慢性うっ血、出血後、ヘモジデローシスベルリン青染色で青
ビリルビンヘモグロビン(非鉄部分)黄疸皮膚・眼球結膜が黄染
メラニンメラノサイトが産生母斑、悪性黒色腫、アジソン病黒褐色、内因性色素
炭粉吸入した大気中の粉塵炭粉沈着症外来性色素
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