学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §9 内分泌 / QJ24A074

理由で解く 柔道整復師

QJ24A074 生理学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問74
問題
バソプレッシンの分泌を促す刺激はどれか。
選択肢
1 血圧上昇
2 体温低下
3 血糖低下
4 浸透圧上昇
解答
正解4(浸透圧上昇)
解説

バソプレシン(抗利尿ホルモン)の最も鋭敏な分泌刺激は血漿浸透圧の上昇です。視床下部の浸透圧受容器がこれを感知します。

発汗や水分摂取不足で体液が濃くなると、血漿浸透圧が上昇します。視床下部の浸透圧受容器はわずか1〜2%の変化にも反応し、視索上核・室傍核の神経細胞が興奮して、下垂体後葉からバソプレシンが放出されます。バソプレシンは腎集合管の細胞に働いて水チャネル(アクアポリン2)を管腔側の膜に配置させ、水の再吸収を増やします。その結果、尿は濃縮されて量が減り、体液の濃さが元に戻ります。同時に口渇中枢が刺激されて飲水行動も起こります。このほか、大出血などで循環血液量や血圧が大きく下がったときにも、容量受容器・圧受容器を介して分泌が増えます。逆に大量の水を飲めば浸透圧が下がって分泌が抑えられ、薄い尿がたくさん出ます。

✓ 4. 正しい
浸透圧上昇
視床下部の浸透圧受容器が血漿浸透圧の上昇を感知し、下垂体後葉からのバソプレシン分泌が増えます。集合管での水再吸収が進み、尿が濃縮されます。
✗ 1. 誤り
血圧上昇
分泌が増えるのは血圧が下がったときです。血圧上昇時は圧受容器からの入力によって分泌がむしろ抑えられます。向きが逆です。
✗ 2. 誤り
体温低下
体温低下は皮膚血管の収縮を招き、むしろ尿量が増える傾向があります。バソプレシン分泌の主要な刺激ではありません。
✗ 3. 誤り
血糖低下
血糖低下に応じて分泌されるのはグルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモンです。水の再吸収を担うバソプレシンとは調節系が別です。
ポイント
  • バソプレシンは視床下部(視索上核・室傍核)で作られ、下垂体後葉から放出される。
  • 最も鋭敏な分泌刺激は血漿浸透圧の上昇。循環血液量・血圧の低下でも分泌が増える。
  • 作用は集合管でのアクアポリン2を介した水再吸収。尿は濃縮され量が減る。
  • 分泌や作用が不足すると尿崩症となり、多尿と多飲をきたす。
  • 血糖の調節はグルカゴン・アドレナリンなど、別系統のホルモンが担う。
比較表
変化バソプレシン分泌尿量
血漿浸透圧の上昇(脱水・発汗)増加減少(濃い尿)
血漿浸透圧の低下(大量飲水)減少増加(薄い尿)
循環血液量・血圧の低下(出血)増加減少
血圧の上昇減少増加
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