学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §5 消化と吸収 / QJ24A070

理由で解く 柔道整復師

QJ24A070 生理学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問70
問題
肝臓の役割として正しいのはどれか。
選択肢
1 胆汁を産生する。
2 体液量を調節する。
3 リパーゼを分泌する。
4 胃の蠕動運動を調節する。
解答
正解1(胆汁を産生する。)
解説

胆汁をつくるのは肝細胞です。胆嚢は肝臓が分泌した胆汁を濃縮して蓄え、必要時に十二指腸へ送り出す役割にとどまります。

肝臓は体内で最大の実質臓器であり、代謝の中枢です。糖ではグリコーゲンの合成と分解、蛋白ではアルブミンや血液凝固因子の合成、脂質ではコレステロールやリポ蛋白の合成を担い、アンモニアを尿素に変えるなどの解毒も行います。さらにグリコーゲン・脂溶性ビタミン・鉄を貯蔵します。そのうえで肝細胞は1日約500〜1000mLの胆汁を産生し、胆汁酸・ビリルビン・コレステロールなどを排泄します。胆汁酸は脂肪を乳化して表面積を広げ、膵リパーゼが働きやすい状態をつくりますが、胆汁自体に消化酵素は含まれません。「乳化は胆汁、分解は膵リパーゼ」という役割分担が、この問題の急所です。

✓ 1. 正しい
胆汁を産生する。
胆汁は肝細胞で産生され、胆管を通って胆嚢に蓄えられます。胆汁酸による脂肪の乳化と、ビリルビンなど不要物の排泄という2つの意味をもちます。
✗ 2. 誤り
体液量を調節する。
体液量と浸透圧を直接調節するのは腎臓で、バソプレシンやアルドステロン、心房性ナトリウム利尿ペプチドがこれを制御します。肝臓はアルブミン合成を通じて間接的に関わるだけです。
✗ 3. 誤り
リパーゼを分泌する。
脂肪分解酵素であるリパーゼを分泌するのは膵臓です(少量は舌腺・胃にもあります)。肝臓の胆汁は脂肪を乳化しますが、酵素そのものは含みません。
✗ 4. 誤り
胃の蠕動運動を調節する。
胃の運動は腸管神経系と自律神経(迷走神経が促進、交感神経が抑制)、およびガストリンやモチリンなどの消化管ホルモンが調節します。肝臓の働きではありません。
ポイント
  • 胆汁は肝細胞が産生し、胆嚢は濃縮・貯蔵するだけ。
  • 胆汁の役割は胆汁酸による脂肪の乳化と、ビリルビンなどの排泄。
  • 胆汁に消化酵素は含まれない。脂肪の分解は膵リパーゼが行う。
  • 肝臓の主な働きは代謝・解毒(アンモニア→尿素)・血漿蛋白合成・貯蔵。
  • 体液量の調節は腎臓、胃運動の調節は自律神経と消化管ホルモン。
比較表
消化液産生部位主成分と働き
胆汁肝臓(貯蔵は胆嚢)胆汁酸で脂肪を乳化。酵素は含まない
膵液膵臓リパーゼ・アミラーゼ・トリプシン、重炭酸イオン
胃液塩酸・ペプシノーゲン・内因子
腸液小腸膜消化酵素、粘液
唾液唾液腺アミラーゼ(デンプンの分解)
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