学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §5 消化と吸収 / QJ25A069

理由で解く 柔道整復師

QJ25A069 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問69
問題
胃の役割で正しいのはどれか。
選択肢
1 脂肪を分解する。
2 栄養素を吸収する。
3 食べた物を一時的に収納する。
4 セクレチンを分泌する。
解答
正解3(食べた物を一時的に収納する。)
解説

胃の主な役割は、食べた物を一時的にためて少しずつ先へ送ることである。あわせて胃酸とペプシンによる蛋白質消化の開始と殺菌を担うが、栄養素の吸収はほとんど行わない。

食塊が入ると迷走神経を介した受容性弛緩が起こり、胃は内圧をほとんど上げないまま1.5L程度まで広がる。ためた内容物は蠕動で撹拌され、粥状になったものが幽門から少量ずつ十二指腸へ送り出される。この「一時貯留と小出し」があるおかげで、小腸は自分の消化・吸収能力に見合った速さで内容物を受け取れる。胃液は壁細胞の塩酸と内因子、主細胞のペプシノゲン、副細胞の粘液からなり、酸性下でペプシノゲンがペプシンとなって蛋白質を分解する。胃で吸収されるのはアルコールや一部の薬物程度で、糖・アミノ酸・脂肪酸の吸収は小腸が担当する。

✓ 3. 正しい
食べた物を一時的に収納する。
受容性弛緩により内圧を上げずに拡張し、内容物をためて撹拌し、少しずつ十二指腸へ送る。胃の最も基本的な役割である。
✗ 1. 誤り
脂肪を分解する。
脂肪分解の主役は膵リパーゼで、胆汁酸によるミセル化を前提に小腸で働く。胃にも胃リパーゼはあるが働きは限られ、胃の役割として問われれば当てはまらない。胃で始まるのは蛋白質の消化である。
✗ 2. 誤り
栄養素を吸収する。
栄養素の吸収は絨毛と微絨毛で表面積を稼いだ小腸が担う。胃で吸収されるのはアルコールや一部の薬物などに限られる。
✗ 4. 誤り
セクレチンを分泌する。
セクレチンは酸性の胃内容が流れ込んだときに十二指腸のS細胞から分泌され、膵から重炭酸を出させて中和し、胃酸分泌を抑える。胃が分泌するのは幽門前庭のG細胞から出るガストリンである。
ポイント
  • 胃の役割は一時貯留・撹拌・蛋白質消化の開始・殺菌。吸収はごくわずか。
  • 受容性弛緩(迷走神経)により、内圧を上げずに大きく広がる。
  • 胃液=塩酸と内因子(壁細胞)、ペプシノゲン(主細胞)、粘液(副細胞)。
  • 胃が出すホルモンはガストリン。セクレチン・コレシストキニンは十二指腸から。
  • 栄養素の吸収は小腸、水分の最終吸収は大腸、と場所で切り分けて覚える。
比較表
ホルモン出るところ刺激主な作用
ガストリン胃幽門前庭のG細胞蛋白質、胃の伸展、迷走神経胃酸分泌の促進
セクレチン十二指腸のS細胞酸性の胃内容膵からの重炭酸分泌促進、胃酸分泌抑制
コレシストキニン十二指腸のI細胞脂肪、蛋白質胆嚢収縮、膵酵素分泌促進
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