学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §5 消化と吸収 / QJ25A070

理由で解く 柔道整復師

QJ25A070 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問70
問題
排便反射に関与するのはどれか。
選択肢
1 迷走神経
2 正中神経
3 骨盤神経
4 坐骨神経
解答
正解3(骨盤神経)
解説

排便反射に関わるのは骨盤神経である。直腸が伸展された情報を仙髄へ運ぶのも、直腸を収縮させ内肛門括約筋をゆるめるのも、同じ骨盤神経(副交感神経)が担う。

便が直腸に入って内圧が上がると、直腸壁の伸展受容器が興奮し、骨盤神経の求心路を通って仙髄(S2〜S4)の排便中枢に伝わる。遠心路も骨盤神経で、直腸を収縮させると同時に平滑筋である内肛門括約筋をゆるめる。この情報は大脳へも伝わって便意として意識され、随意筋である外肛門括約筋は陰部神経を介して意識的にゆるめたり締めたりできる。排出時にはこれに腹圧をかける怒責(横隔膜と腹筋の働き)が加わる。反対に蓄便のときは下腹神経(交感神経)が直腸をゆるめ、内肛門括約筋を締めておく。

✓ 3. 正しい
骨盤神経
仙髄(S2〜S4)から出る副交感神経で、下行結腸から直腸を支配する。求心路・遠心路の両方を担い、排便反射の中心となる。
✗ 1. 誤り
迷走神経
同じ副交感神経だが、消化管の支配は食道から横行結腸の中ほどまでにとどまる。それより肛門側は骨盤神経の担当である。
✗ 2. 誤り
正中神経
腕神経叢から出て前腕屈筋群や母指球筋を支配する上肢の神経である。排便には関与しない。
✗ 4. 誤り
坐骨神経
仙骨神経叢から出る下肢最大の神経で、大腿後面から下腿・足を支配する。外肛門括約筋を支配するのは同じ仙骨神経叢由来でも陰部神経である。
ポイント
  • 排便反射の中枢は仙髄S2〜S4、求心路・遠心路とも骨盤神経(副交感)。
  • 骨盤神経は直腸を収縮させ、内肛門括約筋(平滑筋・不随意)をゆるめる。
  • 外肛門括約筋(横紋筋・随意)は陰部神経の支配。だから便意を我慢できる。
  • 下腹神経(交感)は蓄便の方向に働く(直腸弛緩+内括約筋収縮)。
  • 迷走神経の消化管支配は横行結腸の中ほどまで。そこから先は骨盤神経、と境界で覚える。
比較表
神経種類由来排便での働き
骨盤神経副交感仙髄S2〜S4直腸収縮、内肛門括約筋弛緩(排便を促す)
下腹神経交感腰髄直腸弛緩、内肛門括約筋収縮(蓄便)
陰部神経体性運動仙髄S2〜S4外肛門括約筋の随意的な調節
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。