学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §5 消化と吸収 / QJ25A071

理由で解く 柔道整復師

QJ25A071 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問71
問題
非抱合(間接)ビリルビンを抱合(直接)ビリルビンに変化させるのはどれか。
選択肢
1 脾臓
2 肝臓
3 胆嚢
4 腎臓
解答
正解2(肝臓)
解説

非抱合(間接)ビリルビンにグルクロン酸を付けて水溶性の抱合(直接)ビリルビンに変えるのは肝細胞の仕事です。答えは2です。

寿命(約120日)を終えた赤血球は脾臓などのマクロファージに取り込まれ、ヘムがビリベルジンを経て非抱合ビリルビンになります。これは脂溶性で水に溶けないため、アルブミンと結合した形で血中を運ばれ、肝細胞に取り込まれます。肝細胞の滑面小胞体にあるUDP-グルクロン酸転移酵素がグルクロン酸を付加すると、水に溶ける抱合ビリルビンとなり、胆汁中へ分泌されて十二指腸に出ます。腸内細菌によってウロビリノゲンからステルコビリンとなり便を茶色くし、一部は再吸収されて尿中にウロビリノゲンとして現れます。新生児黄疸はこの酵素の働きが未熟なために間接ビリルビンが上がる現象で、溶血が激しいときも間接優位、胆道が詰まったり肝細胞が壊れたりすると直接優位になります。「どこで作られ、どこで水に溶ける形になり、どこから出ていくか」を一続きで追うのが理解の近道です。

✓ 2. 正しい
肝臓
肝細胞がアルブミンから間接ビリルビンを受け取り、UDP-グルクロン酸転移酵素でグルクロン酸抱合を行います。水溶性になることで初めて胆汁中へ排泄でき、また血中に増えたときは尿へも出られるようになります。
✗ 1. 誤り
脾臓
脾臓は古くなった赤血球を壊す場所で、ヘムから間接ビリルビンを「作り出す」側です。抱合する酵素はもたないため、この設問の答えにはなりません。作る場所と加工する場所を分けて覚えておきましょう。
✗ 3. 誤り
胆嚢
胆嚢は肝臓で作られた胆汁を蓄えて水分を吸収し濃縮する器官です。脂肪が十二指腸に入るとコレシストキニンの働きで収縮し、胆汁を送り出します。ビリルビンの化学的な変換は行いません。
✗ 4. 誤り
腎臓
水溶性の直接ビリルビンが血中に増えると腎から尿中へ排泄され、尿ビリルビン陽性となりますが、腎は排泄する側であって抱合はしません。間接ビリルビンはアルブミンと結合しているため糸球体を通れず、尿には出ません。
ポイント
  • 抱合の場は肝細胞、担う酵素はUDP-グルクロン酸転移酵素。
  • 間接(非抱合)=脂溶性・アルブミン結合・尿に出ない。直接(抱合)=水溶性・胆汁へ排泄され尿にも出る。
  • 流れは、赤血球→脾などのマクロファージ→間接ビリルビン→肝で抱合→胆汁→腸でウロビリノゲン→ステルコビリン(便の色)。
  • 溶血性黄疸は間接優位、閉塞性黄疸は直接優位、新生児黄疸は酵素が未熟で間接優位。
  • 胆嚢は胆汁の貯蔵と濃縮を担い、コレシストキニンで収縮する。
比較表
項目非抱合(間接)ビリルビン抱合(直接)ビリルビン
できる場所脾臓などのマクロファージ(ヘムの分解)肝細胞(グルクロン酸抱合)
水への溶けやすさ脂溶性で溶けにくい水溶性
血中での形アルブミンと結合遊離した形で存在できる
尿中への排泄出ない血中に増えれば出る(尿ビリルビン陽性)
増える代表的病態溶血性黄疸、新生児黄疸閉塞性黄疸、肝細胞性黄疸
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