学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ24A056

理由で解く 柔道整復師

QJ24A056 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問56
問題
聴覚を伝える神経はどれか。
選択肢
1 反回神経
2 蝸牛神経
3 前庭神経
4 大耳介神経
解答
正解2(蝸牛神経)
解説

聴覚を伝えるのは蝸牛神経である。内耳神経(第Ⅷ脳神経)の一枝で、蝸牛のらせん器(コルチ器)にある有毛細胞がとらえた音の情報を脳幹へ運ぶ。

内耳神経は蝸牛神経(聴覚)と前庭神経(平衡覚)の2つからなり、内耳道を通って小脳橋角部(橋と延髄の移行部)で脳幹に入る。蝸牛神経の一次ニューロンの細胞体は蝸牛軸のらせん神経節にあり、そこから蝸牛神経核→上オリーブ核→外側毛帯→下丘→内側膝状体→横側頭回(一次聴覚野)と中継されていく。選択肢には「耳」の字がつく神経が並ぶが、平衡覚を運ぶもの、皮膚感覚を運ぶもの、喉頭を支配するものが混ざっている。名前の印象ではなく、どの受容器から出てどこへ向かうかで仕分けるのが確実である。

✓ 2. 正しい
蝸牛神経
蝸牛管の基底板上にあるらせん器の有毛細胞に始まり、らせん神経節を経て内耳道を通り、延髄の蝸牛神経核に達する。聴覚の一次求心路そのものである。
✗ 1. 誤り
反回神経
迷走神経の枝で、右は鎖骨下動脈、左は大動脈弓の下を回って上行し、下喉頭神経として輪状甲状筋以外の喉頭筋を支配する。声帯の運動に関わる運動神経であり、聴覚とは無関係。
✗ 3. 誤り
前庭神経
同じ内耳神経の枝だが、伝えるのは平衡覚である。半規管の膨大部稜が回転(角加速度)を、球形嚢・卵形嚢の平衡斑が直線加速度と頭位を感知し、その情報を前庭神経核へ運ぶ。
✗ 4. 誤り
大耳介神経
頸神経叢(C2・C3)から出る皮枝で、胸鎖乳突筋の後縁から現れて耳介と耳下腺部の皮膚感覚を伝える。名前に「耳」とあるが体性感覚の神経であり、聴覚路ではない。
ポイント
  • 内耳神経(第Ⅷ脳神経)=蝸牛神経(聴覚)+前庭神経(平衡覚)。二枝の役割分担が最頻出。
  • 聴覚路:らせん器の有毛細胞→らせん神経節→蝸牛神経核→上オリーブ核→外側毛帯→下丘→内側膝状体→横側頭回。
  • 前庭覚の受容器:半規管の膨大部稜(回転)/球形嚢・卵形嚢の平衡斑(直線加速度・頭位)。
  • 反回神経は迷走神経の枝で喉頭筋(輪状甲状筋を除く)を支配。声のかすれと結び付けて覚える。
  • 大耳介神経は頸神経叢(C2・C3)の皮枝。「耳」の字に引かれず、受容器と行き先で判断する。
比較表
神経由来伝えるもの/支配
蝸牛神経内耳神経(Ⅷ)聴覚(らせん器)
前庭神経内耳神経(Ⅷ)平衡覚(膨大部稜・平衡斑)
反回神経迷走神経(Ⅹ)喉頭筋の運動(輪状甲状筋以外)・声帯
大耳介神経頸神経叢(C2・C3)耳介・耳下腺部の皮膚感覚
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