学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ24A047

理由で解く 柔道整復師

QJ24A047 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問47
問題
関節唇を有するのはどれか。
選択肢
1 肘関節
2 肩関節
3 膝関節
4 胸鎖関節
解答
正解2(肩関節)
解説

関節唇を持つのは 2 の肩関節である。浅い関節窩を縁取って深さを補う線維軟骨の輪が関節唇である。

関節唇は関節窩のふちに付着する線維軟骨性のリングで、関節窩を深くし、骨頭との接触面積を広げることで安定性を高めている。人体で関節唇を持つのは肩関節(肩甲上腕関節)と股関節の2つだけである。肩関節は上腕骨頭に対して関節窩(肩甲骨の関節窩)が浅く小さいため可動域が人体最大となる反面、脱臼しやすく、関節唇と関節上腕靱帯・腱板がその不足を補っている。前下方への脱臼で関節唇が関節窩縁から剥がれたものをバンカート損傷という。関節内に介在する構造には、関節唇のほかに膝の関節半月(半月板)や胸鎖関節・顎関節などの関節円板があり、「縁取るのが唇、間に挟まるのが半月・円板」と役割の違いで整理すると混同しなくなる。

✓ 2. 正しい
肩関節
肩甲骨の浅い関節窩の周縁に関節唇が付き、窩を深くして上腕骨頭を受け止めている。それでも骨性の支持は乏しいため、腱板(回旋筋腱板)による動的な安定化が重要になる。
✗ 1. 誤り
肘関節
腕尺関節・腕橈関節・上橈尺関節の3つが1つの関節包に包まれた複関節。橈骨頭を取り巻く橈骨輪状靱帯はあるが、これは靱帯であって線維軟骨の関節唇ではない。
✗ 3. 誤り
膝関節
内側半月・外側半月という線維軟骨が関節腔内に介在する。これは関節半月であり、関節窩の縁を取り巻く関節唇とは形も役割も異なる。
✗ 4. 誤り
胸鎖関節
上肢帯と体幹をつなぐ唯一の関節で、関節腔を完全に二分する関節円板を持つ鞍関節。円板であって関節唇ではない。
ポイント
  • 関節唇を持つのは肩関節と股関節の2つだけ。どちらも球関節で可動域が大きい。
  • 関節唇は関節窩の縁に付く線維軟骨。窩を深くし接触面積を増やして安定性を高める。
  • 関節半月(膝の内側・外側半月)と関節円板(胸鎖関節・顎関節・遠位橈尺関節など)は関節腔内に介在する構造。位置が違う。
  • 肩関節は骨性支持が乏しく脱臼しやすい。関節唇剥離=バンカート損傷、骨頭後外側の陥凹=ヒル・サックス損傷。
  • 股関節の関節唇は下方で寛骨臼横靱帯によって輪が閉じられ、完全なリングになる。
比較表
構造位置ある関節
関節唇関節窩の縁を取り巻く肩関節・股関節
関節半月関節腔内に介在(腔を不完全に分ける)膝関節
関節円板関節腔内に介在(腔を完全に二分)胸鎖関節・顎関節・遠位橈尺関節
輪状靱帯骨頭を輪状に取り巻く靱帯上橈尺関節(橈骨輪状靱帯)
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