学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ24A036

理由で解く 柔道整復師

QJ24A036 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問36
問題
距腿関節を補強するのはどれか。
選択肢
1 十字靱帯
2 黄色靱帯
3 三角靱帯
4 前縦靱帯
解答
正解3(三角靱帯)
解説

距腿関節(足関節)を内側から補強するのは三角靱帯(内側側副靱帯)である。他の3つはいずれも膝関節または脊柱の靱帯であり、足関節には関与しない。

距腿関節は、脛骨下端の下関節面と内果、腓骨の外果がつくる「ほぞ穴(果間関節窩)」に距骨滑車がはまり込むらせん状の蝶番関節で、運動は背屈と底屈が主体である。この関節の内側を支えるのが脛骨内果から扇状に広がる三角靱帯で、脛舟部・脛踵部・前脛距部・後脛距部の4部からなる。外側は前距腓靱帯・踵腓靱帯・後距腓靱帯が補強する。三角靱帯は非常に強靱なため、外がえしが強制されると靱帯が断裂する前に内果の剥離骨折が起こりやすい。逆に外側は相対的に弱く、内がえし強制では前距腓靱帯が最も損傷しやすい。選択肢は「名前からどの部位の靱帯か」を先に判定すれば、迷わず絞り込める。

✓ 3. 正しい
三角靱帯
脛骨内果を頂点として舟状骨・踵骨(載距突起)・距骨へ扇状に広がる、距腿関節の内側側副靱帯である。三角形に見えることからこの名がある。距骨の外方への滑りと外がえしを制動し、足関節靱帯のなかで最も強靱な部類に入る。
✗ 1. 誤り
十字靱帯
前十字靱帯・後十字靱帯として膝関節の関節包内(滑膜外)にあって大腿骨と脛骨を結ぶ、いわゆる関節内靱帯である。滑膜に前方から包み込まれているため滑液腔そのものには露出しない。脛骨の前後方向の動揺と回旋を制動する膝の靱帯である。なお同名の環椎十字靱帯は上位頸椎の靱帯であり、いずれにせよ足関節の構成には加わらない。
✗ 2. 誤り
黄色靱帯
上下に隣り合う椎弓の間を結び、脊柱管の後壁を構成する靱帯である。弾性線維に富んで黄色を呈し、前屈した脊柱を元に戻す働きを助ける。足関節とは無関係の脊柱の靱帯である。
✗ 4. 誤り
前縦靱帯
後頭骨底部から仙骨まで椎体の前面を縦走する強靱な靱帯で、脊柱の過伸展を制限する。椎体後面を走る後縦靱帯と対をなす脊柱の靱帯であり、距腿関節の補強には関与しない。
ポイント
  • 距腿関節=脛骨・腓骨がつくるほぞ穴に距骨滑車がはまる蝶番関節。主運動は背屈・底屈。
  • 内側=三角靱帯(脛舟部・脛踵部・前脛距部・後脛距部)、外側=前距腓靱帯・踵腓靱帯・後距腓靱帯
  • 三角靱帯は強靱なため、外がえし強制では靱帯断裂より内果剥離骨折が起こりやすい。
  • 内がえし強制で最も損傷しやすいのは前距腓靱帯(足関節捻挫の大半)。
  • 十字靱帯は膝関節の関節包内・滑膜外にある関節内靱帯。関節腔(滑液腔)に裸で存在するわけではない。
  • 選択肢は所属部位で切る。十字靱帯=膝、黄色靱帯・前縦靱帯=脊柱。
比較表
靱帯所在走行・付着主な作用
三角靱帯距腿関節(内側)脛骨内果 → 舟状骨・踵骨・距骨外がえし・距骨の外方偏位を制動
十字靱帯膝関節(関節包内・滑膜外)大腿骨顆間窩 ⇄ 脛骨顆間隆起脛骨の前後動揺・回旋を制動
黄色靱帯脊柱(椎弓間)上下の椎弓を連結、脊柱管後壁弾性で前屈からの復元を補助
前縦靱帯脊柱(椎体前面)後頭骨底部 → 仙骨脊柱の過伸展を制限
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