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理由で解く 柔道整復師

QJ24A035 解剖学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問35
問題
写真(別冊 No. 1)を別に示す。矢印で示す部位はどれか。
図
選択肢
1 岬角
2 恥骨結節
3 下後腸骨棘
4 坐骨棘
解答
正解4(坐骨棘)
解説

矢印が示すのは坐骨棘である。寛骨の後縁で、大坐骨切痕と小坐骨切痕のちょうど境目から後内側へ尖って突き出す棘状突起がこれにあたる。

寛骨の後縁は、上から順に上後腸骨棘 → 下後腸骨棘 → 大坐骨切痕 → 坐骨棘 → 小坐骨切痕 → 坐骨結節という並びになっている。つまり「大きくえぐれた切れ込み(大坐骨切痕)のすぐ下で内側へ尖っている突起」を探せば、それが坐骨棘である。坐骨棘には仙棘靱帯が付着し、この靱帯が坐骨大孔と坐骨小孔を分ける境界になる。また上双子筋・尾骨筋の付着部でもある。骨盤を内側から見ると左右の坐骨棘が最も内方へ張り出すため、坐骨棘間径は骨盤腔の最狭部を表す産科的指標として用いられ、陰部神経ブロックの際の触知目標にもなる。

✓ 4. 正しい
坐骨棘
坐骨体の後縁から後内方へ突出する棘で、上を大坐骨切痕、下を小坐骨切痕に挟まれる位置にある。仙棘靱帯・上双子筋・尾骨筋が付着し、骨盤内面で最も内側へ張り出す骨性ランドマークとなる。写真で部位を同定するときは、まず寛骨の後縁をたどり、大きな切れ込みの下端にある尖りを確認するとよい。
✗ 1. 誤り
岬角
岬角は仙骨底の前縁が第5腰椎椎体との境で前方に張り出した部分であり、寛骨ではなく仙骨の構造である。骨盤上口(分界線)の後方正中にあたり、真結合線(岬角〜恥骨結合上縁)を測る基準点になる。正中の前方にある隆起であって、側方に尖る棘状突起ではないため区別できる。
✗ 2. 誤り
恥骨結節
恥骨上枝の前上面、恥骨結合のすぐ外側にある小隆起で、鼠径靱帯の内側付着部となる。骨盤の前下方にある構造であり、後縁の切痕に挟まれた棘とは位置がまったく異なる。体表からも触れやすい前方のランドマークとして押さえておきたい。
✗ 3. 誤り
下後腸骨棘
腸骨稜後端の上後腸骨棘のすぐ下方にある小突起で、下方は大坐骨切痕の上縁へと連なる。すなわち大坐骨切痕の上端側にあり、切痕の下端で内方へ尖る坐骨棘とは上下が逆になる。後縁を上から順にたどる習慣をつけると、この2つを取り違えずに済む。
ポイント
  • 坐骨棘=大坐骨切痕と小坐骨切痕の境。坐骨体後縁から後内方へ突出する。
  • 付着するのは仙棘靱帯・上双子筋・尾骨筋。仙棘靱帯が坐骨大孔と坐骨小孔を分ける。
  • 寛骨後縁の並びを固定して覚える:上後腸骨棘 → 下後腸骨棘 → 大坐骨切痕 → 坐骨棘 → 小坐骨切痕 → 坐骨結節。
  • まず「どの骨の構造か」で絞る。岬角=仙骨、恥骨結節=恥骨上枝(前方)、腸骨棘・坐骨棘=寛骨後縁。
  • 坐骨棘間径は骨盤腔の最狭部の指標。陰部神経ブロックの目標にもなる臨床的に重要な突起。
比較表
構造属する骨位置目印・付着
坐骨棘寛骨(坐骨)後縁、大坐骨切痕と小坐骨切痕の間仙棘靱帯・上双子筋・尾骨筋/坐骨棘間径
岬角仙骨仙骨底前縁の正中、第5腰椎との境骨盤上口の後方正中/真結合線の基準
恥骨結節寛骨(恥骨)恥骨上枝の前上面、恥骨結合の外側鼠径靱帯の内側付着部
下後腸骨棘寛骨(腸骨)上後腸骨棘の下方、大坐骨切痕の上縁後縁の上部にあり坐骨棘より上位
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