学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §42 一般臨床医学 / QJ24A013
理由で解く 柔道整復師
痛風は、血液中に増えすぎた尿酸が溶けきれずに尿酸ナトリウムの結晶となり、関節内へ析出して激しい急性関節炎を起こす病気です。したがって、その土台には必ず高尿酸血症があります。
尿酸はプリン体が代謝された最終産物で、体内での産生が過剰になるか、腎臓からの排泄が低下する(あるいはその両方)と血清尿酸値が上がります。血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると溶解度の限界を越え、体温が低く力学的な負荷もかかる末梢の関節、なかでも母趾のつけ根にあたる第1中足趾節(MTP)関節に結晶が沈着しやすくなります。この結晶を白血球が貪食すると強い炎症反応が起こり、発赤・腫脹・熱感を伴って「風が吹いても痛い」と表現される急性発作となります。発作は夜間から明け方にかけて突然始まることが多く、肥満・過度の飲酒(とくにビール)・過食・脱水・利尿薬(サイアザイド系など)の使用が誘因となります。患者の大多数は中年男性で、エストロゲンに尿酸の尿中排泄を促す働きがあるため、閉経前の女性の発症はまれです。確定診断は、関節液を偏光顕微鏡で調べて針状の尿酸ナトリウム結晶を証明することによります。適切に管理されず慢性化すると、耳介や肘頭などに痛風結節ができ、痛風腎(腎障害)や尿路結石を合併しうるため、発作を鎮めるだけでなく尿酸値を長期にわたって管理することが必要です。柔道整復の現場では、外傷歴がないのに単一の関節が急に赤く腫れて激痛を訴える例に出会ったら痛風発作を念頭に置き、患部を安静・冷却として無理な施術を避け、医師の診察につなぐ判断が求められます。
| 比較項目 | 痛風 | 偽痛風 | 関節リウマチ |
|---|---|---|---|
| 原因 | 尿酸ナトリウム結晶の析出 | ピロリン酸カルシウム(CPPD)結晶の沈着 | 自己免疫による滑膜炎 |
| 好発する人 | 30〜50歳代の男性(9割以上が男性) | 高齢者、性差は目立たない | 30〜50歳代の女性(男性の3〜4倍) |
| 好発関節 | 第1中足趾節(MTP)関節 | 膝関節(次いで手関節・肩) | 手指MCP・PIP関節、手関節など |
| 関節の分布 | 単関節性・急性発作 | 単関節性・急性発作 | 多関節性・対称性 |
| 発症様式・誘因 | 夜間〜明け方に突然発症。肥満・過度の飲酒・過食・脱水・利尿薬が誘因 | 急性に発症。外傷・手術・脱水などが契機 | 数週〜数か月かけて緩徐に発症 |
| 特徴的所見 | 関節液で針状の尿酸ナトリウム結晶を証明(確定診断)、血清尿酸値高値、痛風結節(耳介・肘頭など) | X線で関節軟骨の石灰化、関節液でピロリン酸カルシウム結晶 | 朝のこわばり、リウマトイド因子・抗CCP抗体 |
| 慢性期の合併症 | 痛風腎(腎障害)、尿路結石 | 変形性関節症に似た関節破壊 | 関節破壊・変形(スワンネック変形など) |
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