学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §41 リハビリテーション医学 / QJ27A021

理由で解く 柔道整復師

QJ27A021 必修問題

出典:第27回柔道整復師国家試験(2019)午前 問21
問題
関節と良肢位の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 肘関節-屈曲90度
2 手関節屈曲 30度
3 膝関節屈曲 10度
4 距腿関節屈曲・伸展 0度
解答
正解2(手関節屈曲 30度)
解説

この設問は誤っている組合せを選ぶ問題である。手関節の良肢位は背屈(伸展)10〜20度であり、「屈曲30度」は方向が逆で良肢位ではない。

良肢位(機能肢位)とは、たとえ関節に拘縮が残ってしまっても日常生活動作の障害が最も少ない肢位のことをいう。手関節をわずかに背屈させると、腱の張力バランスによって指が屈曲しやすくなり握力が出せる。逆に掌屈位で固まると指を握り込む力が発揮できず、物をつかむ動作が著しく不自由になる。したがって手関節を固定するときは背屈位で固定するのが原則である。手関節の角度は柔整教科書系で背屈10〜20度、リハビリテーション系文献で20〜30度と幅があるが、いずれも向きは背屈で一致しており、手関節は「背屈」という向きが判断の軸になる。

✗ 1. 正しい組合せ(設問の答えではない)
肘関節-屈曲90度
肘屈曲90度は、手を口や顔まで運べて食事・整容が可能になる肢位で、肘関節の良肢位として妥当な組合せである。したがって「誤っているもの」を問う本問の答えにはならない。
✓ 2. これが誤り(正解)
手関節屈曲 30度
手関節の良肢位は背屈(伸展)10〜20度である。屈曲(掌屈)30度では指の屈曲力が出ず把持動作が困難になるため、良肢位とはいえない。組合せが誤っているのはこれである。
✗ 3. 正しい組合せ(設問の答えではない)
膝関節屈曲 10度
完全伸展位でも屈曲が強すぎても不都合で、軽度屈曲(10度前後)が立位保持と歩行時の下肢の振り出しの両方に対応できる。膝関節の良肢位として妥当な組合せである。
✗ 4. 正しい組合せ(設問の答えではない)
距腿関節屈曲・伸展 0度
足関節は底屈・背屈0度の中間位が良肢位である。底屈位(尖足)で固まると踵接地ができず歩行が大きく障害されるため、0度に保つ。妥当な組合せであり本問の答えではない。
ポイント
  • 良肢位=拘縮が残っても日常生活動作の支障が最も少ない肢位。「動かない前提でいちばん困らない角度」。
  • 肩関節は外転10〜30度・軽度屈曲(水平屈曲10〜30度)・回旋中間位。肩の外転は大きく挙げる角度ではなく、腋窩が保てる程度の小さい角度である点に注意。
  • 肘関節は屈曲90度。手を口・顔に届かせるため。
  • 前腕は回内・回外中間位(やや回内位)
  • 手関節は背屈(伸展)10〜20度。背屈位だと指が屈曲しやすく握力が出る(掌屈位では出ない)。
  • 股関節は屈曲10〜30度・外転0〜10度・回旋中間位。屈曲の数値をそのまま外転に写さないこと。
  • 膝関節は屈曲10度前後。立位保持と歩行時の振り出しを両立させる。
  • 距腿関節(足関節)は底背屈0度の中間位。尖足位で固定しない。
  • 手関節背屈の数値は教科書により10〜20度/20〜30度と幅があるが向きは一致する。数値で迷ったらまず「どちらの向きか」を押さえる。
  • 良肢位と安楽肢位(最も疼痛が少ない肢位)は別概念。固定は良肢位を基本とする。
比較表
関節良肢位その角度にする理由
肩関節外転10〜30度、軽度屈曲(水平屈曲10〜30度)、回旋中間位手を体幹の前へ持ってきやすく、腋窩の衛生も保てる
肘関節屈曲90度手を口・顔に運べる
前腕回内・回外中間位(やや回内位)食事・書字がしやすい
手関節背屈(伸展)10〜20度指が屈曲しやすく握力が出る
股関節屈曲10〜30度、外転0〜10度、回旋中間位立位と座位の両方に対応できる
膝関節屈曲10度前後立位保持と歩行時の振り出しを両立
距腿関節底屈・背屈0度(中間位)尖足を防ぎ踵接地ができる
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