学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §40 衛生学・公衆衛生学 / QJ24A010

理由で解く 柔道整復師

QJ24A010 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問10
問題
吐しゃ物による汚染の消毒に用いられるのはどれか。
選択肢
1 ポビドンヨード
2 クロルヘキシジン
3 消毒用アルコール
4 次亜塩素酸ナトリウム
解答
正解4(次亜塩素酸ナトリウム)
解説

吐しゃ物による汚染の消毒には次亜塩素酸ナトリウムを用います。正答は4。

吐物の処理では、ノロウイルスのようなエンベロープをもたないウイルスが含まれている前提で対応します。エンベロープがないウイルスはアルコールや逆性石けん、クロルヘキシジンでは十分に不活化できず、有効なのは次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒薬です。濃度の目安は、吐物・便で直接汚染された部位が0.1%(1,000ppm)、日常的な環境表面の清拭が0.02%(200ppm)です。実際の手順は、使い捨て手袋・マスク・エプロンを着けたうえで、ペーパータオルで外側から中心に向けて静かに拭き取り(乾燥して舞い上がらせない)、次亜塩素酸ナトリウム液で覆うか清拭して10分ほど置いてから水拭きし、汚染物はビニール袋に入れて密閉して廃棄、最後に石けんと流水で手を洗い、室内を換気します。金属を腐食させ布を漂白するため、使用後の水拭きも忘れないようにします。

✗ 1. 誤り
ポビドンヨード
皮膚・粘膜や術野に用いる生体消毒薬。抗微生物スペクトルは広いが、着色し金属を腐食するため床や吐物などの環境消毒には適さない。
✗ 2. 誤り
クロルヘキシジン
中水準以下の消毒薬で、芽胞やエンベロープをもたないウイルスには効果が期待できない。手指・皮膚用であり、粘膜使用ではアナフィラキシーの報告があるため吐物処理には用いない。
✗ 3. 誤り
消毒用アルコール
エンベロープをもつウイルスや一般細菌には有効だが、ノロウイルスのようなエンベロープ非保有ウイルスには効果が劣る。この場面での手指衛生は石けんと流水による手洗いが基本となる。
✓ 4. 正しい
次亜塩素酸ナトリウム
エンベロープの有無にかかわらずウイルスを不活化でき、芽胞にも有効な塩素系消毒薬。吐物・便で汚染された部位は0.1%(1,000ppm)、環境表面は0.02%(200ppm)を目安に使う。
ポイント
  • 吐物・便の汚染は次亜塩素酸ナトリウム。濃度の目安は汚染部0.1%(1,000ppm)、環境表面0.02%(200ppm)。
  • ノロウイルスなどエンベロープ非保有ウイルスにはアルコールが効きにくい。手指は石けんと流水で物理的に洗い流す。
  • 処理手順は「防護具を着ける→静かに拭き取る→塩素消毒→水拭き→密閉廃棄→手洗い→換気」。乾燥させて舞い上げないことが重要。
  • ポビドンヨード・クロルヘキシジンは生体(皮膚・粘膜)用で、環境の吐物処理には向かない。
  • 次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食・漂白・分解しやすさがあるため、原液の保管と希釈液の使い切りに注意する。
比較表
消毒薬水準主な用途ノロウイルスへの効果
次亜塩素酸ナトリウム中水準(高濃度で芽胞にも)環境・吐物・器具有効
消毒用アルコール中水準手指・皮膚・小物効果が劣る
ポビドンヨード中水準皮膚・粘膜・術野有効だが環境には不適
クロルヘキシジン低水準手指・皮膚期待できない
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