学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §2 医療過誤とリスクマネジメント / QJ24A011

理由で解く 柔道整復師

QJ24A011 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問11
問題
医療危機管理の概念でないのはどれか。
選択肢
1 インフォームド・コンセント
2 リスク・マネジメント
3 インシデントレポート
4 ヒヤリハット
解答
正解1(インフォームド・コンセント)
解説

インフォームド・コンセントは患者の自己決定権を支える「説明と同意」の考え方で、医療危機管理の枠組みには含まれません。正答は1。

医療危機管理(リスクマネジメント、医療安全管理)は、事故を「個人の不注意」ではなく「起こりうるもの」と捉え、システムで防ぐ発想です。実際の流れは、ヒヤリハット(インシデント)を漏れなく集める → インシデントレポートとして記録・分析する → 手順や環境を改善する、という循環になります。ハインリッヒの法則が示すように、1件の重大事故の背後には29件の軽微な事故と300件のヒヤリハットがあるとされ、小さな気づきを共有できるかどうかが安全の分かれ目になります。だからこそインシデントレポートは責任追及の道具ではなく、原因を分析して再発を防ぐための情報源として扱い、報告した人が不利益を受けない仕組みを整えることが大切です。一方インフォームド・コンセントは、施術内容・危険性・代替手段・予後を分かる言葉で説明し、患者本人の同意を得るという医療倫理の柱で、結果として紛争予防にもつながりますが、概念の出自は安全管理ではなく患者の権利です。

✓ 1. 危機管理の概念ではない(正答)
インフォームド・コンセント
施術内容や危険性を十分に説明し患者の同意を得るという、患者の自己決定権に基づく医療倫理の概念。安全管理と関連はするが、危機管理の枠組みそのものではないため、これが正答となる。
✗ 2. 危機管理の概念(答えではない)
リスク・マネジメント
危険を洗い出し、評価し、対策を立てて事故を防ぐ一連の管理活動そのもの。医療危機管理の中核概念で、設問の条件に当てはまらない。
✗ 3. 危機管理の概念(答えではない)
インシデントレポート
事故に至らなかった事例や軽微な事例を記録し、原因分析と再発防止に活かす報告書。安全管理の実務そのもので、答えではない。
✗ 4. 危機管理の概念(答えではない)
ヒヤリハット
事故には至らなかったが「ヒヤリとした・ハッとした」出来事のこと。重大事故の芽として収集・共有する対象であり、危機管理の中核用語。
ポイント
  • インフォームド・コンセント=説明と同意。患者の自己決定権を支える医療倫理の概念で、危機管理の用語ではない。
  • リスクマネジメントは「危険の把握 → 分析 → 対策 → 評価」を回す管理活動。
  • ヒヤリハット(インシデント)=事故に至らなかった事例。アクシデントは実害が生じた事例。
  • ハインリッヒの法則=重大事故1件の背後に軽微な事故29件、ヒヤリハット300件。
  • インシデントレポートは個人を責めるためではなく仕組みを直すために書く。報告しやすい環境づくりが再発防止の前提。
比較表
用語意味位置づけ
インフォームド・コンセント十分な説明に基づく患者の同意医療倫理・患者の権利
リスク・マネジメント危険の把握と対策の管理活動医療安全(危機管理)
インシデントレポートヒヤリハット・軽微事例の報告書医療安全(危機管理)
ヒヤリハット事故に至らなかった出来事医療安全(危機管理)
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