学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §36 解剖学 / QJ24A003

理由で解く 柔道整復師

QJ24A003 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問3
問題
大後頭孔を通るのはどれか。
選択肢
1 内頸動脈
2 外頸動脈
3 椎骨動脈
4 鎖骨下動脈
解答
正解3(椎骨動脈)
解説

大後頭孔(大孔)を通って頭蓋腔に入る動脈は椎骨動脈です。正答は3。

大後頭孔は後頭骨底部にある頭蓋最大の孔で、延髄と脊髄の境がここを通ります。動脈では左右の椎骨動脈、そこから分かれる前脊髄動脈・後脊髄動脈が通り、神経では副神経の脊髄根が下から上へ入ります。椎骨動脈は鎖骨下動脈から起こり、第6頸椎から上の横突孔を上行し、環椎の後方(椎骨動脈溝)を回り込んでから大後頭孔をくぐり、左右が合流して脳底動脈となって脳幹・小脳・後頭葉を養います。脳への血液の入口は「内頸動脈は頸動脈管、椎骨動脈は大後頭孔」の2ルートだけと覚えると、この種の問題は一目で解けます。頸椎の急激な回旋・伸展で椎骨動脈が障害されうる点も、徒手療法を行ううえで押さえておきたい知識です。

✗ 1. 誤り
内頸動脈
側頭骨錐体部の頸動脈管を通って頭蓋腔に入り、前大脳動脈・中大脳動脈となる。頭蓋内には入るが、通る孔は大後頭孔ではない。
✗ 2. 誤り
外頸動脈
顔面・頭皮・咀嚼筋・甲状腺などの頭蓋外を養う動脈で、本幹は頭蓋腔に入らない。枝の中硬膜動脈が棘孔から入るが、これも大後頭孔ではない。
✓ 3. 正しい
椎骨動脈
頸椎の横突孔を上行し、環椎上面を回って大後頭孔から頭蓋腔に入る。左右が合流して脳底動脈となり、脳幹・小脳・後頭葉へ血液を送る。
✗ 4. 誤り
鎖骨下動脈
椎骨動脈の起始となる動脈だが、自身は第1肋骨外縁で腋窩動脈に移行し上肢へ向かう。頭蓋腔には入らない。
ポイント
  • 大後頭孔を通るもの=延髄(脊髄との移行部)・椎骨動脈・前および後脊髄動脈・副神経の脊髄根
  • 脳への動脈の入口は2つ。内頸動脈=頸動脈管椎骨動脈=大後頭孔
  • 椎骨動脈は鎖骨下動脈の枝で、第6頸椎から上の横突孔を上行する。
  • 左右の椎骨動脈が合流して脳底動脈となり、大脳動脈輪(ウィリス動脈輪)で内頸動脈系とつながる。
  • 頸部の急激な回旋・伸展操作は椎骨動脈に負担がかかりうるため、めまい・眼振・構音障害などが出たら操作を中止し医師へつなぐ。
比較表
動脈起始頭蓋への経路主な支配領域
内頸動脈総頸動脈頸動脈管大脳(前・中大脳動脈)、眼
外頸動脈総頸動脈頭蓋腔に入らない(中硬膜動脈は棘孔)顔面・頭皮・咀嚼筋・硬膜
椎骨動脈鎖骨下動脈横突孔→大後頭孔脳幹・小脳・後頭葉
鎖骨下動脈腕頭動脈(右)/大動脈弓(左)入らない上肢・頸部(腋窩動脈へ移行)
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