学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §36 解剖学 / QJ24A001

理由で解く 柔道整復師

QJ24A001 必修問題

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問1
問題
図の矢印で示す方向の組合せで近位−遠位にあたるのはどれか。
図
選択肢
1 ①──②
2 ③──④
3 ⑤──⑥
4 ⑦──⑧
解答
正解1(①──②)
解説

図では①が上腕を付け根(肩)へ向く上向きの矢印、②が同じ上腕を先端(手)へ向く下向きの矢印で、四肢の長軸に沿う一対はこの組だけである。「近位−遠位」は四肢(および血管・消化管などの管状器官)だけに使う方向用語で、体幹に近い側が近位、体幹から遠い側=指先に向かう側が遠位である。

この図には前頭面・水平面・矢状面(正中線を通る場合は正中面)という3つの基準面が描かれ、8本の矢印はいずれかの軸を示している。①②は上腕の長軸に沿う矢印で近位−遠位、③は頭頂へ向かう上向き・④は体幹を足側へ向かう下向きの矢印で上(頭側)−下(尾側)、⑤は胸部で正中面へ向かう矢印・⑥は正中面から離れて外へ向かう矢印で内側−外側、⑦──⑧は前頭面に直交する奥行き方向を示す斜めの両頭矢印で前(腹側)−後(背側)である。解剖学の方向用語は「どの軸の話か」で対になる言葉が決まっており、このほかに体表からの深さを表す浅−深、前腕の橈側−尺側、下腿の脛側−腓側がある。近位−遠位だけは体幹には使わず、体幹への付着部を基準に四肢で「近い/遠い」を表す点が最大の特徴である。用語は単独で丸暗記せず、必ず「軸+対になる語」のセットで覚えると、矢印を選ばせる図問題で迷わなくなる。

✓ 1. 正しい
①──②
図では:①は上腕に沿って肩(付け根)を指す上向きの矢印、②は同じ上腕に沿って手(先端)を指す下向きの矢印である。四肢の長軸に沿った一対で、①が近位、②が遠位にあたる。上肢なら肩→肘→手、下肢なら股→膝→足の順に遠位となる。
✗ 2. 誤り
③──④
図では:③は頭頂から上へ向かう矢印、④は体幹を足側へ向かう下向きの矢印である。これは体幹の長軸に沿う軸で、上(頭側)−下(尾側)と呼ぶ。近位−遠位は体幹そのものには用いないため、この組は当てはまらない。
✗ 3. 誤り
⑤──⑥
図では:⑤は胸部から正中面(矢状面のうち正中を通る面)へ向かう矢印、⑥は正中面から離れて体の外へ向かう矢印である。正中面に近い側と遠い側を表すこの軸は内側−外側であり、前腕なら橈側−尺側、下腿なら脛側−腓側とさらに細かく呼ぶ。四肢の長軸と直交する軸なので近位−遠位ではない。
✗ 4. 誤り
⑦──⑧
図では:⑦(手前側)と⑧(奥側)を結ぶ斜めの両頭矢印で、前頭面に直交する奥行き=体の厚みの方向を示している。この軸は前(腹側)−後(背側)である。これも四肢の長軸ではないため近位−遠位には当たらない。長軸方向か、それに直交する方向かをまず見分けるのが確実な解き方である。
ポイント
  • 近位=体幹に近い側、遠位=体幹から遠い側。四肢と管状器官にのみ使い、体幹には使わない。
  • 図の割り当て:①②=近位−遠位(四肢の長軸)、③④=上(頭側)−下(尾側)、⑤⑥=内側−外側、⑦⑧=前(腹側)−後(背側)。
  • 体幹の長軸は上(頭側)−下(尾側)。近位−遠位と取り違えやすい第一の落とし穴。
  • 内側−外側=正中面に近い−遠い、前−後=腹側−背側、浅−深=体表に近い−遠い。
  • 前腕は橈側(母指側)−尺側(小指側)、下腿は脛側(母趾側)−腓側(小趾側)。いずれも内側−外側の細分で、近位−遠位とは別の軸。
  • 図の矢印問題は「長軸方向か、直交方向か」をまず判定してから語を当てはめる。
比較表
図の矢印対になる用語図での向き・備考
①──②四肢の長軸近位 − 遠位①=上腕を肩(付け根)へ、②=手(先端)へ。正答
③──④体幹の長軸上(頭側) − 下(尾側)③=頭頂へ上向き、④=体幹を足側へ下向き
⑤──⑥正中面からの距離内側 − 外側⑤=正中面へ向かう、⑥=正中面から離れる
⑦──⑧体の厚み(奥行き)前(腹側) − 後(背側)前頭面に直交する斜めの両頭矢印
(図にない)体表からの深さ浅 − 深全身に使う
(図にない)前腕・下腿の左右橈側 − 尺側/脛側 − 腓側内側−外側の細分
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