
この図の解説
この図は形質細胞を輪切りにした細胞内部の立体像である。まず目を引くのは、細胞質いっぱいに幾重にも重なって走る「粗面小胞体」の層板構造で、細胞のほぼ全域を占めている。これは形質細胞が抗体(免疫グロブリン)というタンパク質を大量に合成・分泌する細胞であることの形態的な現れである。中央下に大きな「核」があり、細胞の中心を外れてやや偏って位置している点に注目したい。核内の染色質が中心から放射状に配列すると車輪のスポークに似て見えることから、車輪核とも呼ばれる。散在する小さな粒はミトコンドリアで、活発なタンパク合成を支えるエネルギーを供給する。形質細胞はBリンパ球から分化した細胞であり、この図はその機能と構造の対応を一目で理解させてくれる。
学習の要点
- 形質細胞はBリンパ球から分化し、抗体(免疫グロブリン)を産生する結合組織の細胞である。
- 覚え方のコツ:「工場をぎっしり並べた細胞」=粗面小胞体の発達=タンパク(抗体)大量生産、とイメージで結ぶ。
- 関連知識:粗面小胞体はリボソームが付着した小胞体で、分泌用タンパク質を合成しゴルジ装置へ送る。抗体の材料もここでつくられる。
- よくある間違い:形質細胞を分化させるのはTリンパ球であり、形質細胞自身がTリンパ球から生じるわけではない(もとはBリンパ球)。
- 臨床応用:形質細胞が腫瘍化して単一の抗体を過剰産生する疾患が多発性骨髄腫で、骨破壊や免疫異常を起こす。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
形質細胞の核では染色質が中心から放射状に広がり、その形が車輪に似ることから( )核と呼ばれる。
答えを見る
答え: 車輪
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。