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理由で解く 生理学

Q0770 筋

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題47
問題
骨格筋の収縮時に短縮するのはどれか。
選択肢
1 l帯
2 A 帯
3 Z 帯
4 H 帯
解答
正解1(l帯) または 4(H 帯) 〈複数正答:いずれも正解〉
解説

筋節(サルコメア)の縞模様のうち、収縮に伴って長さが変わるのは、細いフィラメント(主体はアクチン。トロポミオシン・トロポニンを伴う)と太いフィラメント(ミオシン)の重なり方で決まる部分である。この設問では I 帯(アイ帯・明帯)と H 帯がともに短くなるため、いずれを選んでも正解として扱われる。

骨格筋の収縮は「滑走説」で説明される。すなわち、細いフィラメントと太いフィラメント自体の長さは変わらず、細いフィラメントが太いフィラメントの間へ滑り込むことで筋節が短くなる。A 帯は太いフィラメントが存在する範囲そのものなので、滑走が起きても長さは変わらない。これに対し、細いフィラメントだけの領域である I 帯(明帯)と、太いフィラメントだけで細いフィラメントが重なっていない A 帯中央の H 帯は、重なりが増えるぶんだけ狭くなる。Z 帯(Z 線)は細いフィラメントが付着する仕切りの構造で、収縮時には隣り合う Z 帯どうしの間隔(=筋節の長さ)が縮むのであって、Z 帯そのものが短くなるわけではない。「変わらないのは A 帯と Z 帯(構造そのもの)、狭くなるのは I 帯と H 帯(重なりのない部分)、短くなるのは Z 帯どうしの間隔=筋節」と 4 つまとめて覚えておくと、どの帯を問われても答えられる。

✓ 1. 正しい
l帯
この肢の I 帯(アイ帯・明帯)は細いフィラメントだけが存在する部分で、Z 帯をはさんで隣の筋節と連続している。収縮で細いフィラメントが太いフィラメントの間に滑り込むと重なり部分が増えるため、I 帯は狭くなる。
✗ 2. 誤り
A 帯
A 帯(暗帯)は太いフィラメントが存在する範囲に一致する。太いフィラメント自体の長さは収縮しても変化しないため、A 帯の長さは収縮時も一定である。
✗ 3. 誤り
Z 帯
Z 帯(Z 線)は細いフィラメントが付着する筋節の境界の構造で、その幅自体は収縮しても変わらない。短くなるのは Z 帯どうしの間隔、すなわち筋節の長さであって、Z 帯そのものではない。
✓ 4. 正しい
H 帯
H 帯は A 帯の中央にあり、太いフィラメントだけで細いフィラメントが重なっていない部分である。収縮で細いフィラメントが中央へ滑り込むと重なりが進むため、H 帯は狭くなり、強く収縮すると消失する。
ポイント
  • 骨格筋の収縮は滑走説で説明され、細いフィラメント・太いフィラメントそれぞれの長さは変わらない。
  • 収縮で短縮するのは I 帯(アイ帯・明帯)と H 帯、および筋節(Z 帯どうしの間隔)である。
  • A 帯(暗帯)は太いフィラメントの存在範囲そのもので、収縮しても長さは変わらない。
  • Z 帯は細いフィラメントが付着する筋節の境界であり、その幅自体は変わらない。
  • 細いフィラメントはアクチンを主体とし、トロポミオシン・トロポニンを伴う複合体である。
  • 重要用語: 筋節(サルコメア), A帯, I帯, H帯, Z帯, 滑走説 を正確に理解しておくこと。
比較表
部位含まれるフィラメント収縮時の変化
I 帯(アイ帯・明帯)細いフィラメント(アクチン)のみ短くなる
A 帯(暗帯)太いフィラメント(ミオシン)。一部で細いフィラメントと重なる変わらない
H 帯太いフィラメント(ミオシン)のみ(A 帯の中央)短くなる・強収縮で消失
Z 帯(Z 線)細いフィラメントの付着部(筋節の境界)Z 帯自体の幅は変わらない(Z 帯どうしの間隔=筋節が短くなる)
筋節(サルコメア)Z 帯から Z 帯まで短くなる
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題47|骨格筋の収縮時に短縮するのはどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題47|骨格筋の収縮時に短縮するのはどれか。
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