
この図の解説
この図「髄鞘と跳躍伝導」は、軸索を包む髄鞘(ミエリン鞘)の構造と、それがつくる速い伝導のしくみを示している。まず中央の拡大図に注目したい。軸索の周りを何重にも巻いた層が髄鞘で、これは電気的絶縁部分である。髄鞘は連続せず一定間隔で途切れ、そのくびれをランビエ絞輪と呼ぶ。活動電位はこの絞輪の部分で発生する。右上の枠は髄鞘をつくる細胞の違いで、中枢神経では希突起膠細胞(乏突起膠細胞)が1つで複数の髄鞘節を、末梢神経ではシュワン細胞が1つで1つの髄鞘節を形成する。下段は伝導様式の比較である。左の無髄神経では、軸索膜が隣へ次々と+→−に変化しながらインパルスが連続的に伝わるため速度は遅い。右の有髄神経では、髄鞘で覆われた部分は絶縁されているので、活動電位は絞輪から絞輪へと飛び飛びにジャンプして伝わる。これを跳躍伝導といい、無髄より格段に速い。髄鞘が伝達速度を速めるという教科書の記述は、この跳躍伝導によって説明される。
学習の要点
- 髄鞘(ミエリン鞘)は電気的絶縁部分で、ランビエ絞輪で活動電位が発生する。有髄神経では絞輪から絞輪へ興奮が飛ぶ跳躍伝導が起こり、無髄神経の連続伝導より伝導速度が速い。
- 覚え方のコツ:「絶縁は髄鞘、発火は絞輪、跳んで速いのが有髄」と役割で三点セットにする。飛び石(絞輪)の間の川(髄鞘)は渡れないから飛ぶ、とイメージする。
- 関連知識:末梢神経ではシュワン細胞が1つで1髄鞘節を、中枢神経では希突起膠細胞(乏突起膠細胞)が1つで複数の髄鞘節を形成する。シュワン細胞は末梢での再生にも関わる。
- よくある間違い:中枢と末梢で髄鞘をつくる細胞を取り違えること。中枢=希突起膠細胞、末梢=シュワン細胞。星状膠細胞や小膠細胞は髄鞘を形成しない。
- 臨床応用:髄鞘が障害される脱髄疾患(多発性硬化症など)では跳躍伝導が妨げられ、伝導速度の低下や伝導ブロックが起こり、運動・感覚障害を生じる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
末梢神経で髄鞘を形成し、神経膠細胞の役割を果たす細胞を( )という。
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答え: シュワン細胞
有髄神経で、活動電位が髄鞘の途切れた部分を次々と飛びながら伝わる伝導様式を( )という。
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答え: 跳躍伝導
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。