学習トップ理由で解く 生理学第8章 ▸ B. ホルモンの種類とその働き / Q0556

理由で解く 生理学

Q0556 内分泌

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題29
問題
バソプレシンについて正しいのはどれか。
選択肢
1 ステロイドホルモンである
2 下垂体前葉から分泌される
3 腎臓の集合管における水の再吸収を促す
4 血漿浸透圧が低下すると分泌が増加する
解答
正解3(腎臓の集合管における水の再吸収を促す)
解説
✗ 1. 誤り
ステロイドホルモンである
バソプレシン(抗利尿ホルモン、ADH)は9個のアミノ酸からなるペプチドホルモンである。ステロイドホルモンはコレステロールから生成される脂溶性ホルモンで、副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、電解質コルチコイド)や性ホルモン(テストステロン、エストロゲン、プロジェステロン)が含まれる。
✗ 2. 誤り
下垂体前葉から分泌される
バソプレシンは視床下部の室傍核あるいは視索上核のニューロンで産生され、下垂体後葉から血中に分泌される。下垂体前葉からは成長ホルモン、プロラクチン、TSH、ACTH、FSH、LHなどが分泌される。後葉ホルモンはバソプレシンとオキシトシンの2つである。
✓ 3. 正しい
腎臓の集合管における水の再吸収を促す
バソプレシンは腎臓の集合管に作用して水の再吸収を促進し、尿量を減少させる(抗利尿作用)。このため抗利尿ホルモン(ADH)とも呼ばれる。たとえば塩辛いものを食べて血漿浸透圧が上昇すると、バソプレシン分泌が増加して尿量が減少し、体内からの水分喪失が抑えられる。また多量のバソプレシンには血圧を上昇させる作用もある。
✗ 4. 誤り
血漿浸透圧が低下すると分泌が増加する
バソプレシンの分泌は血漿浸透圧が上昇したときに増加する。血漿浸透圧の上昇は視床下部の浸透圧受容器で感受され、バソプレシン分泌が促進される。逆に、多量の飲水などで血漿浸透圧が低下するとバソプレシン分泌は減少し、水の再吸収が減少して尿量が増加する(水利尿)。
ポイント
  • バソプレシンの2大キーワード:「集合管で水の再吸収促進」「血漿浸透圧上昇で分泌増加」。
  • 覚え方のコツ:「ADH=Anti-Diuretic Hormone=利尿を抑える=尿量を減らす」と英名から覚える。
  • バソプレシン分泌異常:後葉機能障害でバソプレシン分泌が減少→尿量が異常に増加=尿崩症(口渇、多尿、多飲)。
  • 下垂体後葉ホルモンは2つのみ:①バソプレシン(ADH)=水の再吸収促進、②オキシトシン=射乳反射・子宮収縮。
比較表
項目 バソプレシン(ADH)
産生部位 視床下部(室傍核・視索上核)
分泌部位 下垂体後葉
化学的性質 ペプチドホルモン(9アミノ酸)
主な標的 腎臓の集合管
主な作用 水の再吸収促進(尿量減少)
分泌刺激 血漿浸透圧の上昇、循環血液量の減少
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題29|バソプレシンについて正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題29|バソプレシンについて正しいのはどれか。
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