
この図の解説
この図はインスリンの作用を4つに整理している。まず見るべきは①グルコース輸送で、筋肉や脂肪細胞へのグルコース取り込みを促し、その結果として血糖値が下がる。②糖代謝ではグリコーゲン合成と解糖が促進され、取り込んだ糖がより使われ・蓄えられる方向に働く。膵臓のランゲルハンス島(膵島)でインスリンを分泌するのはβ細胞で、膵島の約80%を占める。インスリンはグルコースをグリコーゲンに変えて肝臓に貯蔵するとともに、全身の細胞でのグルコース利用を促す。図の③脂質代謝は余分な糖を脂肪に変えて貯蔵、④タンパク質代謝はアミノ酸の取り込みとタンパク質合成を促進し成長へつながる。①〜④はいずれもエネルギーを蓄える方向であり、図が最後に強調するとおりインスリンは「同化ホルモン」である点をおさえたい。分泌不足や作用低下で起こるのが糖尿病である。
学習の要点
- インスリンは膵島β細胞(膵島の約80%)から分泌され、血糖値を下げる唯一の方向に働くホルモン。取り込み促進・グリコーゲン合成・脂肪合成・タンパク質合成のすべてを進める同化ホルモンである。
- 覚え方のコツ: 「B(β)はBankのB」。βがインスリンを出して糖をグリコーゲン・脂肪として貯金(貯蔵)→血糖が下がる、と結び付ける。
- 関連知識: 同じランゲルハンス島のα細胞はグルカゴンを分泌し、肝グリコーゲンをグルコースに変えて血糖を上げる。両者は逆向きに働く。δ細胞はソマトスタチンで両者を抑制。
- よくある間違い: 「インスリンはα細胞から」は誤り。インスリンはβ細胞、グルカゴンはα細胞。名前と細胞の対応を取り違えやすい。
- 臨床応用: インスリンの分泌不足または作用低下(抵抗性)で血糖が下げられなくなった状態が糖尿病。治療にインスリン製剤が用いられる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
インスリンはグルコースを( )に変えて肝臓に貯蔵するとともに、全身の細胞でのグルコースの利用を促進する。空欄に入る語を答えよ。
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答え: グリコーゲン
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。