
この図の解説
図は下垂体前葉から分泌されるプロラクチン(PRL)を中心に、2つの流れを対比している。左側は「乳児の吸引刺激→視床下部→下垂体前葉→PRL→乳腺の発達・乳汁産生と分泌促進」という産乳の流れ。右側は「視床下部GnRH→下垂体前葉FSH・LH→排卵」という性腺調節の流れである。注目すべきは中央の赤い矢印で、PRLが視床下部のGnRHを抑制(−)し、その結果FSH・LHが減って排卵が抑えられる点にある。つまり授乳期はPRLが高く保たれ、GnRHが抑えられるため月経が止まりやすい。またPRLは視床下部のPIHを介して自身の分泌を抑える負のフィードバックももつ。吸乳刺激が途絶えるとPRLが低下し、乳汁産生は3〜4週で停止し、排卵抑制も解除されて月経が再開する。
学習の要点
- プロラクチン(PRL)は下垂体前葉ホルモンで、乳腺の発達と乳汁の産生・分泌を促進する。
- 覚え方のコツ:「吸われるほど出る」。乳児の乳頭吸引(吸乳)刺激がPRL分泌を維持し、刺激が消えると3〜4週で乳汁産生が止まる。
- 関連知識:視床下部が出すGnRHは下垂体前葉のFSH・LHを介して卵巣の排卵を促す。PRLはこのGnRHを抑えることで排卵を止める。
- よくある間違い:PRLは乳汁を「つくる」ホルモンで、乳汁を押し出す射乳作用はもたない。射乳は後葉のオキシトシンが担う。
- 臨床応用:授乳期はPRL高値で無月経となる(授乳性無月経)。腫瘍などによる高プロラクチン血症でも無月経・乳汁漏出・不妊が起こる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
下垂体前葉から分泌され、乳腺の発達と乳汁産生を促すホルモンは( )である。
答えを見る
答え: プロラクチン(PRL)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。