
この図の解説
左の図は、成長ホルモン(GH)の分泌がどこで指令され、どこで打ち消されるかを縦一列で示している。まず視床下部が下垂体前葉を上位から支配している点を確認しよう。視床下部からは分泌を促す放出ホルモン(GRH、+の青矢印)と分泌を止める抑制ホルモン(GIH、−の赤い停止線)の二種類が前葉に届く。前葉から出たGHは肝臓に作用してIGF-1をつくらせ、これが実際の成長作用の多くを担う。ここで注目すべきは赤い線でたどる「負のフィードバック」で、GH自身とIGF-1が視床下部と前葉へ戻って自らの分泌を抑える。出しっぱなしにならない仕組みが図に描かれている。右の表は分泌量を揺らす日常因子で、睡眠(特に眠りはじめの徐波睡眠)・空腹や低血糖・運動が分泌を促し、高血糖と遊離脂肪酸が分泌を抑える。血糖が上がると下がる関係に着目したい。
学習の要点
- GHの調節軸は「視床下部(放出ホルモンと抑制ホルモン)→下垂体前葉→GH→肝臓→IGF-1」という一方向の流れで、そこに負のフィードバックが折り返す。
- 覚え方のコツ: 促進因子は「寝る・空く・動く」(睡眠・空腹/低血糖・運動)、抑制因子は「食べすぎ・脂」(高血糖・遊離脂肪酸)とセットで覚える。
- 関連知識: 肝臓が受けて分泌するIGF-1(ソマトメジンC)が末梢での成長作用を仲介し、これ自体も視床下部・下垂体前葉に戻って抑制をかける。
- よくある間違い: 「血糖が高いとGHも増える」は逆。GHは血糖を上げる方向に働くホルモンなので、高血糖のときは分泌が抑えられる。
- 臨床応用: 空腹・睡眠・運動でGHが上がる性質を利用し、GH分泌不全の診断ではインスリン低血糖負荷や睡眠時採血などの分泌刺激試験が行われる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
視床下部から下垂体前葉に届く成長ホルモン分泌の調節因子のうち、図でGIHと示され、前葉に対して「−」(抑制)に働くホルモンを何というか(成長ホルモン( )ホルモン)。
答えを見る
答え: 抑制
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。