
この図の解説
この図は、尿細管を近位尿細管・ヘンレループ・遠位尿細管の順に並べ、最後に集合管を加えて、それぞれの上皮の姿と再吸収の役割分担を対比している。まず見てほしいのは、左側に描かれた上皮細胞の高さの違いである。近位尿細管の細胞は背が高く微絨毛に富み、水分の60〜70%、グルコースやアミノ酸のほぼ100%、HCO3⁻の90%をここでまとめて再吸収する。ヘンレループでは髄質の高い浸透圧を利用し、下行脚で水が受動的に間質へ出て、上行脚でNaClが再吸収される。遠位尿細管は電解質と水(約15%)を再吸収しつつ糸球体の血管極に近づき、傍糸球体装置を形成する。赤字の集合管はバゾプレッシンで水を、アルドステロンでNa⁺と水を再吸収し、ホルモンによる最終調節の場となる。原尿の大部分が近位で処理され、遠位以降は微調整に回る流れを図全体で掴んでほしい。
学習の要点
- 近位尿細管が量的再吸収の主役で、水の60〜70%・グルコースとアミノ酸のほぼ100%・HCO3⁻の90%をここで回収する。
- 覚え方のコツ: 「近位=大量処理、遠位・集合管=ホルモン微調整」と役割を二分すると混乱しない。
- 関連知識: 集合管での水の再吸収を促すバゾプレッシン(抗利尿ホルモン)は下垂体後葉から分泌され、遠位尿細管の緻密斑は輸入細動脈とともに傍糸球体装置をつくる。
- よくある間違い: グルコースやアミノ酸を「遠位で再吸収」と取り違えやすいが、これらはほぼ100%が近位尿細管で回収される。
- 臨床応用: 集合管のバゾプレッシン反応が失われると水が再吸収されず多量の希薄尿が出る尿崩症となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
集合管において水の再吸収を促進するホルモンは( )である。
答えを見る
答え: バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。