学習トップ理由で解く 生理学第4章 ▸ C. 消化液 / Q0291

理由で解く 生理学

Q0291 消化と吸収

出典:あマ指 第6回(1998) 問題42
問題
胆汁酸の作用はどれか。
選択肢
1 糖質分解
2 脂肪乳化
3 ビリルビン生成
4 タンパク質分解
解答
正解2(脂肪乳化)
解説
✗ 1. 誤り
糖質分解
糖質を分解するのはアミラーゼ(唾液・膵液)やマルターゼ等(小腸)の消化酵素である。胆汁酸は糖質分解に関与しない。
✓ 2. 正しい
脂肪乳化
胆汁酸は脂肪を乳化して消化酵素の働きを助ける作用を持つ。胆汁酸は表面活性作用(界面活性作用)を有し、脂肪滴を細かく分散させることで膵リパーゼが作用できる表面積を増大させる。さらに、脂肪の分解産物である脂肪酸とモノグリセリドに作用して、水溶性のミセルを形成し、小腸からの吸収を促進する。腸内に分泌された胆汁酸の90〜95%は小腸で再吸収され、門脈を経て肝臓に戻る(腸肝循環)。
✗ 3. 誤り
ビリルビン生成
ビリルビンは老廃赤血球のヘモグロビンに由来する色素であり、胆汁酸から生成されるものではない。ビリルビンは胆汁に含まれる成分の一つであるが、胆汁酸の「作用」ではない。
✗ 4. 誤り
タンパク質分解
タンパク質を分解するのはペプシン(胃液)やトリプシン・キモトリプシン(膵液)などの消化酵素である。胆汁酸はタンパク質分解に関与しない。
ポイント
  • 胆汁酸の作用は脂肪の乳化と脂肪分解産物のミセル形成であり、胆汁には消化酵素は含まれない。
  • 覚え方のコツ: 「胆汁=酵素なし、乳化専門」と覚える。胆汁は消化酵素を含まない唯一の主要消化液であり、脂肪の乳化(物理的分散)のみを行う。
  • 関連知識: 胆汁酸の腸肝循環は臨床的にも重要であり、脂溶性ビタミン(A, D, E, K)の吸収にも胆汁酸によるミセル形成が必要である。
  • よくある間違い: 胆汁酸とビリルビンを混同しやすい。胆汁酸は脂肪の乳化に働く機能物質、ビリルビンはヘモグロビン由来の排泄物質であり、役割が全く異なる。
比較表
成分 由来 主な機能
胆汁酸 肝臓(コレステロールから合成) 脂肪の乳化、ミセル形成、脂肪消化・吸収の促進
ビリルビン(胆汁色素) ヘモグロビンの分解産物 排泄物質(腸内でウロビリノゲンに変換)
コレステロール 肝臓 排泄(過剰蓄積で胆石の原因)
解説画像
あマ指 第6回(1998) 問題42|胆汁酸の作用はどれか。 解説図
あマ指 第6回(1998) 問題42|胆汁酸の作用はどれか。
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