
この図の解説
図は糸球体で原尿が押し出される力のせめぎ合いを、3本の矢印で示している。下向きのピンクの太い矢印が濾過を進める糸球体血圧(45mmHg)、上向きの2本が濾過を妨げる膠質浸透圧(25mmHg)とボウマン嚢内圧(10mmHg)である。血漿は糸球体血圧に押されて内皮の小孔・基底膜・足細胞の細隙という濾過膜を通り抜けるが、血漿タンパク質は濾過されずに毛細血管内に残る。残ったタンパク質が水を引き戻そうとする力が膠質浸透圧、すでにボウマン嚢内にたまった原尿が押し返す力がボウマン嚢内圧である。正味で残る下向きの力=有効濾過圧は 45−25−10=10mmHg となり、この差だけが実際に濾過を担う。まず「濾過を進める力は糸球体血圧ただ一つ、他の2つは逆向き」という矢印の向きを図で押さえたい。
学習の要点
- 有効濾過圧=糸球体血圧−膠質浸透圧−ボウマン嚢内圧=45−25−10=10mmHg。濾過を進めるのは糸球体血圧のみで、残る2つは逆向きに働く。
- 覚え方のコツ: 「シ(糸球体血圧)からコウ(膠質浸透圧)とボウ(ボウマン嚢内圧)を引く」。45から25と10を引いて10、と数字ごと語呂で覚える。
- 関連知識: 濾過膜(糸球体毛細血管の内皮小孔・基底膜・足細胞の細隙)は水・電解質・ブドウ糖・アミノ酸を通すが血漿タンパク質は通さない。この選択的濾過が膠質浸透圧を生む。
- よくある間違い: 膠質浸透圧やボウマン嚢内圧を「濾過を助ける力」と誤認しやすい。両者は糸球体血圧と逆向きで濾過に抵抗する。
- 臨床応用: ブドウ糖やアミノ酸は一度濾過されるが、近位尿細管でほぼ100%再吸収されるため正常尿には出ない。尿糖の出現は再吸収の破綻や高血糖を示唆する。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
糸球体血圧45mmHg、膠質浸透圧25mmHg、ボウマン嚢内圧10mmHgのとき、有効濾過圧は( )mmHgである。
答えを見る
答え: 10
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。