学習トップ理由で解く 生理学第7章 ▸ D. 腎臓と体液の調節 / Q0445

理由で解く 生理学

Q0445 排泄

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題33
問題
外気温が上昇すると起こるのはどれか。
選択肢
1 皮膚血流量が減少する。
2 汗腺支配の交感神経活動が低下する。
3 抗利尿ホルモンの分泌量が増加する。
4 甲状腺ホルモンの分泌量が増加する。
解答
正解3(抗利尿ホルモンの分泌量が増加する。)
解説
✗ 1. 誤り
皮膚血流量が減少する。
外気温上昇時は放熱を促進するため皮膚血管が拡張し、皮膚血流量はむしろ増加する。
✗ 2. 誤り
汗腺支配の交感神経活動が低下する。
外気温上昇時は発汗を促進する必要があるため、汗腺を支配する交感神経(コリン作動性)の活動は亢進する。
✓ 3. 正しい
抗利尿ホルモンの分泌量が増加する。
外気温が上昇すると発汗量が増加し、体液量が減少するとともに血漿浸透圧が上昇する。これを視床下部の浸透圧受容器が感知し、下垂体後葉からの抗利尿ホルモン(ADH/バソプレシン)分泌が増加する。ADHは腎臓の集合管でアクアポリン2(AQP2)を介して水の再吸収を促進し、尿量を減少させることで体液量の維持を図る。さらに、体液量減少は容量受容器を介してもADH分泌を促進する。
✗ 4. 誤り
甲状腺ホルモンの分泌量が増加する。
甲状腺ホルモンは代謝を亢進させて熱産生を増加させるため、寒冷環境で分泌が増加する。暑熱環境では逆に分泌は抑制される方向に働く。
ポイント
  • 暑熱環境では発汗→体液量減少→ADH分泌増加→集合管での水再吸収促進→尿量減少、という一連の調節が起こる。
  • 覚え方のコツ: 「暑い→汗かく→水が減る→ADH増える→尿を濃くして水を節約」の流れを順番に追うと理解しやすい。暑熱=ADH↑、寒冷=甲状腺ホルモン↑と対比して覚える。
  • 関連知識: ADHの分泌調節は第8章・内分泌(下垂体後葉ホルモン)と密接に関連する。また、発汗の交感神経支配は通常のアドレナリン作動性ではなくコリン作動性である点は自律神経系の重要事項である。
  • よくある間違い: 「外気温上昇→皮膚血流量減少」と誤答するケースが多い。放熱のためには皮膚血管拡張が必要であり、血流量は増加する。暑熱時と寒冷時の反応を対比して整理すること。
  • 教科書では「c.体液量の調節」の範囲に該当する。
比較表
反応 暑熱環境 寒冷環境
皮膚血流量 増加(放熱促進) 減少(放熱抑制)
汗腺交感神経活動 亢進(発汗促進) 低下(発汗抑制)
ADH分泌 増加(水再吸収↑) 減少(水再吸収↓)
甲状腺ホルモン分泌 抑制 増加(熱産生↑)
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題33|外気温が上昇すると起こるのはどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題33|外気温が上昇すると起こるのはどれか。
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