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理由で解く 作業療法士

QO61P013 作業療法治療学

出典:第61回作業療法士国家試験(2026)午後 問13
問題
48歳の男性。工場勤務から管理職に抜擢され時間外労働が増えた。精力的に取り組んでいたが、熱心に指導してきた部下の退職を契機に自責的になり、出勤できず、家で寝ていることが増えた。妻の勧めで入院し、薬物療法が開始された。睡眠障害や倦怠感が若干軽減し、入院10日目に作業療法が処方された。導入時面接では返答がスムーズにできず、「動けない」「何もしたくない」「退職したい」と述べた。作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 身体機能を評価する。
2 導入をいったん中止する。
3 面接はパラレルな場で行う。
4 退職について妻と相談するよう勧める。
5 入院生活チェックリストの記入を促す。
解答
正解5(入院生活チェックリストの記入を促す。)
解説

うつ病では回復途上でも意欲・思考制止が残る。負担の少ない構造化された低刺激の関わりで生活を把握するのが適切で、重大な決定は先延ばしにする。

本例は昇進・過重労働を契機に発症したうつ病で、薬物療法により症状はやや軽減したが、精神運動制止(返答が遅い)や意欲低下、自責・希死念慮に通じる悲観的発言が残る回復初期である。この段階では言語での要求度が高い関わりや自己決定を迫る対応は負担となる。入院生活チェックリストのように、選択式・記入式で負担が少なく構造化された方法なら、患者が答えやすく生活状況や困りごとを把握でき、作業療法導入の足がかりとなる。うつ病急性期〜回復初期には退職などの重大な決定を保留させる原則があり、退職の相談を勧める対応は禁忌に近い。

✗ 1. 誤り
身体機能を評価する。
身体機能評価が最優先の状態ではなく、うつ病では優先度が低い
✗ 2. 誤り
導入をいったん中止する。
作業療法が処方されており、一律に中止する根拠はない。関わり方を工夫すべき
✗ 3. 誤り
面接はパラレルな場で行う。
パラレルな場(各自が並行して作業する場)は面接に適さず、面接は落ち着いた個別的環境で行う
✗ 4. 誤り
退職について妻と相談するよう勧める。
うつ病急性期〜回復初期は重大な決定を先延ばしにする原則があり、退職相談を勧めるのは不適切
✓ 5. 正しい
入院生活チェックリストの記入を促す。
記入式チェックリストは負担が少なく答えやすい構造化された方法で、生活把握と関係構築に適する
ポイント
  • うつ病急性期〜回復初期は重大な決定を先延ばしにする
  • 低刺激・低負担で構造化された関わりを選ぶ
  • 希死念慮・自責・制止のサインに注意
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