学習トップ理由で解く 作業療法士第12章 ▸ 実地 / QO61P016

理由で解く 作業療法士

QO61P016 作業療法治療学

出典:第61回作業療法士国家試験(2026)午後 問16
問題
21歳の女性。統合失調症。「誰かに監視されている」と言い、近隣でのトラブルが続いたため精神科に入院となった。入院後、症状は軽減したが、無為の状態が続いており、入院3週目に作業療法が開始された。作業活動中に、「いつも誰かに見られているから、作業活動をやめたい」と申し出た。作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 活動種目を変更する。
2 作業療法の参加を中止する。
3 作業活動に集中するように声をかける。
4 主治医へ報告するために訴えを詳細に聴く。
5 「見られている」のは勘違いであることを指摘する。
解答
正解3(作業活動に集中するように声をかける。)
解説

妄想は肯定も否定もせず、注意を作業そのものへ向けさせるのが基本。作業への集中を促すことで妄想から距離を取らせ、参加を維持する。

統合失調症の被害妄想(注察妄想)に対しては、内容を肯定して助長することも、真っ向から否定して患者を追い詰めることも避けるのが原則である。作業活動に集中するよう声をかけることで、妄想的な思考から注意をそらし、『今ここでの作業』という現実的で安心できる対象に意識を向けさせられる。これにより不安を軽減し、無為状態からの活動参加を維持できる。妄想の内容を詳しく掘り下げて聴くことは妄想を強化しかねず、勘違いだと指摘することは患者の体験を否定して信頼関係を損なうため不適切。

✗ 1. 誤り
活動種目を変更する。
種目変更では『見られている』という妄想的不安の対処にならず、根本的でない
✗ 2. 誤り
作業療法の参加を中止する。
症状軽減後の参加維持が望ましく、訴えのたびに中止すると活動が定着しない
✓ 3. 正しい
作業活動に集中するように声をかける。
作業への集中を促し妄想から注意をそらすことで不安を和らげ、参加を維持できる
✗ 4. 誤り
主治医へ報告するために訴えを詳細に聴く。
訴えを詳細に聴くと妄想を強化する恐れがあり、この場面では不適切
✗ 5. 誤り
「見られている」のは勘違いであることを指摘する。
妄想を『勘違い』と否定すると患者の体験を否定し信頼関係を損なう
ポイント
  • 妄想は肯定も否定もしない
  • 注意を現実的な作業活動へ向ける
  • 訴えの深掘りは妄想強化のリスク
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 作業療法士
App Store入手