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理由で解く 作業療法士

QO61P009 作業療法治療学

出典:第61回作業療法士国家試験(2026)午後 問9
問題
73歳の女性。3年前から特に誘因なく歩行時の左膝痛が出現し、徐々に悪化してきたため外来を受診した。左膝の熱感、腫脹なく関節裂隙の圧痛を軽度に認めた。立位のX線写真を図に示す。この患者の指導で推奨されるのはどれか。
図
選択肢
1 安静
2 正座
3 階段昇降
4 水中歩行
5 ジョギング
解答
正解4(水中歩行)
解説

関節裂隙狭小化と骨棘を示す変形性膝関節症では、荷重を軽減しつつ運動を継続できる水中歩行が推奨される。

別冊のX線は膝関節正面(立位AP)像で、左右の関節裂隙が非対称に狭小化し、脛骨顆間隆起付近に骨棘、関節面周囲に軟骨下骨硬化を認める。これは変形性膝関節症(膝OA)の典型像である。73歳女性で誘因なく歩行時膝痛が3年かけて緩徐に進行し、熱感・腫脹はなく関節裂隙に軽度圧痛という臨床像もこの画像所見と一致する。膝OAの運動指導では、荷重負荷を減らしながら大腿四頭筋を中心とした筋力と可動域を維持することが重要で、浮力により関節負荷が軽減される水中歩行が最も適する。安静は筋力低下を招き、正座は深屈曲負荷、階段昇降とジョギングは高荷重・衝撃負荷となりいずれも増悪要因のため不適である。

✗ 1. 誤り
安静
X線は慢性の変形性膝関節症を示し、熱感・腫脹を伴う急性炎症像はない。過度の安静は大腿四頭筋の筋力低下を招き症状を悪化させるため不適
✗ 2. 誤り
正座
深屈曲位は膝蓋大腿関節・脛骨大腿関節への負荷を著しく高め、変形性膝関節症では避けるべき動作
✗ 3. 誤り
階段昇降
昇降時に膝へ体重の数倍の荷重がかかり、図に示された関節裂隙狭小化を伴う膝に疼痛を増悪させる
✓ 4. 正しい
水中歩行
水の浮力で関節への荷重負荷を軽減しつつ、下肢筋力と関節可動域を維持・改善できる。図が示す変形性膝関節症に推奨される運動指導
✗ 5. 誤り
ジョギング
着地衝撃による高い荷重が軟骨変性を進め、変形性膝関節症では不適
ポイント
  • 変形性膝関節症=荷重負荷軽減+運動療法継続
  • 水中歩行は浮力で膝負担が小さく推奨
  • 正座・階段(下り)・ジョギングは高負荷で不適、安静は廃用を招く
比較表
変形性膝関節症の運動指導
項目推奨/回避
水中歩行推奨:浮力で低負荷
大腿四頭筋訓練推奨:膝安定化
正座・深屈曲回避:高負荷
ジョギング・階段下り回避:衝撃・荷重増
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