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理由で解く 作業療法士

QO61P010 作業療法治療学

出典:第61回作業療法士国家試験(2026)午後 問10
問題
70歳の男性。5年前にParkinson病と診断。現在はHoehn & YahrステージⅢ。歩行は自立しているが、すくみ足、動作緩慢、姿勢反射障害を認め、屋内移動でバランスを崩すことがある。しゃがみ込みで後方への転倒歴あり。自宅は築30年の木造平屋である。最優先して取り組むべき住環境整備はどれか。
図
選択肢
1 浴槽の左側へのバスボードの設置
2 上がり框の壁への手すりの設置
3 すり付け板の設置(段差は4cm)
4 簡易取り付け型洋式便座の設置
5 畳を毛足の長いじゅうたんに変更
解答
正解4(4)
解説

しゃがみ込みでの後方転倒歴と姿勢反射障害がある。深くしゃがむ動作を毎日強いる和式便器の解消が最優先。

本例はParkinson病Hoehn & YahrステージⅢで、すくみ足・動作緩慢・姿勢反射障害を認め、実際にしゃがみ込みで後方へ転倒した既往がある。住環境整備は、すでに転倒が起きている動作から手をつけるのが原則である。和式便器は使うたびに深いしゃがみ込みと立ち上がりを繰り返すことになり、転倒歴のある動作を毎日反復させてしまう。簡易取り付け型洋式便座を設置すればこの動作自体をなくせるため、最も優先度が高い。浴槽へのバスボードは入浴動作を楽にするが、後方転倒という最大のリスクへの対応ではない。上がり框の手すりは玄関の段差昇降には有効でも、屋内でのしゃがみ込み動作は改善しない。すり付け板は段差が4cmと小さく、すくみ足のつまずき対策として意義はあっても緊急性は低い。毛足の長いじゅうたんは足が引っかかりやすく、すくみ足のある患者ではかえって転倒を招くため行ってはならない。

✗ 1. 誤り
浴槽の左側へのバスボードの設置
タイル張り浴室の浴槽。入浴は楽になるが、後方転倒という最大のリスクへの対応ではない
✗ 2. 誤り
上がり框の壁への手すりの設置
玄関の上がり框と下駄箱。段差昇降の助けにはなるが、屋内のしゃがみ込みの危険は残る
✗ 3. 誤り
すり付け板の設置(段差は4cm)
引き戸敷居の4cmの段差。すくみ足のつまずき対策にはなるが軽微で緊急性は低い
✓ 4. 正しい
簡易取り付け型洋式便座の設置
和式便器。使うたび深くしゃがむため転倒歴のある動作を反復する。洋式便座化が最優先
✗ 5. 誤り
畳を毛足の長いじゅうたんに変更
畳敷きの床。毛足の長いじゅうたんは足が引っかかり、すくみ足ではかえって転倒を招く
ポイント
  • Hoehn&Yahr III=姿勢反射障害出現、転倒リスク高い
  • 最優先は転倒予防(手すり設置・段差解消)
  • すくみ足・後方突進・敷居のつまずきに配慮した動線整備
比較表
Parkinson病の転倒予防・住環境整備
リスク要因住環境の対策
姿勢反射障害・後方突進手すり設置で姿勢保持を支援
敷居などの段差段差解消(撤去・スロープ)
すくみ足床の目印(視覚的手がかり)
立ち座り困難高めの椅子・便座、手すり
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