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理由で解く 作業療法士

QO60P014 作業療法評価学

出典:第60回作業療法士国家試験(2025)午後 問14
問題
18歳の男子。2年前までは成績優秀で友人も多かった。1年前から口数が減り徐々に欠席が増え、半年前から不登校となった。「隣人が見張っている」と言いだし自室のカーテンを一日中閉めたままにしている。1か月前から自室に引きこもり、「自分の考えが人に伝わってしまう」、「誰もいないのに自分の悪口が聞こえてくる」などと言うようになった。2週前から入浴をしていない。この患者の症状で誤っているのはどれか。
選択肢
1 幻聴
2 行為心迫
3 思考伝播
4 被害妄想
5 無為自閉
解答
正解2(行為心迫)
解説

本例は統合失調症の典型症状(幻聴・妄想・自我障害・陰性症状)を呈する。行為心迫は躁状態の症状で、この患者にはみられない。

経過は思春期発症の統合失調症に典型的で、陽性症状と陰性症状が揃っている。「悪口が聞こえる」は幻聴、「見張られている」は被害妄想、「考えが人に伝わる」は思考伝播(自我障害)であり、口数減少・不登校・入浴しない(自発性低下・セルフケア低下)は無為自閉(陰性症状)に相当する。一方、行為心迫は次々と行動を起こさずにいられない過活動状態で、躁病エピソードでみられる症状である。本例はむしろ活動性が低下しており行為心迫は認めないため、症状として「誤っている(みられない)」のは選択肢2となる。

✗ 1. 正しい
幻聴
「誰もいないのに悪口が聞こえる」は幻聴で、統合失調症に典型(みられる)
✓ 2. 誤り
行為心迫
じっとしていられず行動が湧き出る躁状態の症状で、活動低下の本例にはない(誤=正解)
✗ 3. 正しい
思考伝播
「自分の考えが人に伝わる」は自我障害の一つで、みられる
✗ 4. 正しい
被害妄想
「隣人が見張っている」は被害妄想で、みられる
✗ 5. 正しい
無為自閉
引きこもり・自発性低下・入浴しないは陰性症状の無為自閉で、みられる
ポイント
  • 統合失調症=陽性症状(幻覚・妄想・自我障害)+陰性症状(無為自閉)
  • 思考伝播は自我障害(させられ体験)の一つ
  • 行為心迫は躁状態の症状で統合失調症と対照的
比較表
統合失調症の症状と本例の対応
症状本例の該当所見
幻聴悪口が聞こえる
被害妄想隣人が見張っている
思考伝播(自我障害)考えが人に伝わる
無為自閉(陰性症状)引きこもり・入浴しない
行為心迫(躁症状)該当なし
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